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2017-03-23 18:17:00
例年3月末は、北大第2次試験の合格発表も終わり、北海道大学に入学が決定された方々が、北大周辺に急きょ賃貸アパートを探される時期です。★北大周辺のアパート賃貸業者にとってもこの時期は貸し付けの好機です。借りるほうも貸す方も、3月末にはお互いに手ぐすね引くわけです。★どっと需要が殺到すると、月額4万、5万、6万、7万のような高級物件が、貸し付ける側が盛んに推奨する前面に出てきまして、月額3万円前後の物件は(そういうのもあるんですが)すっかり引っ込んでしまいます。★ひとつウルトラCのおすすめがありますよ。ここで紹介しているアイランドコーポに、4月から6月までの短期間居住し(敷金なしで、月2万円かける3か月、6万円でお貸しします)、その間に悠々と北大周辺の物件を探されるがよい。5-6月ごろになると劇的に状況が変わっていて、北大至近距離でも鉄筋コンクリートワンルーム月額家賃3万円程度の物件が前面に出てきます。そういうものを見つけて悠々と越されるがよい。(むろんそのままアイランドコーポに住み続けてもよい。4年間で住居費がずいぶん節約できます)★もうひとつ、いい手があります。当ルームドクターズが管理しているベルウッド15という物件(北大病院まで徒歩3分、北15条西3丁目2-5、鉄筋コンクリート)の103号室が部屋代月額29000円、405号室と303号室が月額32000円で、ご紹介できます。(4月1日入居) この頁の「お問い合わせ」で、問い合わせて下さい。アイランドコーポも、同様です。
2017-03-18 21:48:00
小林秀雄『本居宣長』の第24項を読みながら、現代仮名遣いでの「てにをは」の扱いについて普段感じていた不満が一挙に出どころを得た思いがした。★現代の日本に生きる重大な問題提起がこのように学べるものであれば、「国学」は貴重な学問である。私はちょうど世間で、豊中市の森友学園と塚本幼稚園の教育が国家的大話題になっているのをわき目にして、毎日この「国学書」を数ページずつ読んでいた。★この小林著を読むと、国学が天から天下ってくるような性質のものではないことがよくわかる。本居宣長にしても、師にあたる賀茂真淵の学説を丸写しに鵜呑みにしているのではないのだ。賀茂真淵が万葉集を仰ぐのに対して、本居宣長は源氏物語のほうを評価するのだ。★私は国民学校2年生の時に教育勅語を暗記し、天皇陛下の名前を神武天皇から今上天皇まで暗記した。しかしいま本居宣長への興味は、その後の私の人生の中で、徹底して戦時中の教育を否定し、西洋風のまず徹底して物事を疑う思考の姿勢を経て、たどり着いている。★妹尾河童『少年H』1999年、講談社文庫という本の上巻450頁に、主人公の中学生が、軍事教官田森氏に、マネの絵の模写をしていたところを見つかって、「この非常時に女の裸を描いている奴」ととっちめられる場面がある。もし戦時に源氏物語を読んでいるところを軍事教官に見つかったら、そしてその軍事教官が、この本が全編至る所で男女の交情を描いている本だと知ったら、どんな制裁に会うだろうね。
2017-03-18 21:13:00
今の私には小林のこの本を概括提示する力がない。今日読んでいるところを例として示そう。第24項である。(277-285頁)この項の主題になっているのは、「てにをは」である。本居宣長に「詞の玉緒」という「てにをは」の研究があるので、小林はここでは「詞の玉緒」を多く引き合いに出す。「てにをは」は、「詞といふ玉を貫く緒」であると。「文といふ衣を縫ふ縫ひ手」であると。「『てにをは』の姿は、語意よりも文意へ、文意よりも文の「いきほひ」へと動く宣長の眼に捕らへられ、普通の意味での詞と対立する。玉ではない、緒であるとは、詞ではない、「語の用ひ方」だと言ひたいのである。云々」(小林)★今日の国語で学ぶ際に、「てにをは」は「助詞」とされる。『広辞苑』第4版では「助詞」をこう定義している。「体言、用言、助動詞などについて、その語と他の語との関係を示し、あるいは陳述に一定の意味を添え、または陳述する語。活用しない。」★このような説明であれば、「てにをは」は単語に「つけられる」語で、単語を補助する語と思うことになるのではないか。実際私は「単語を補助する語」としての「てにをは」の得体のしれなさについて、長い間悩んできた。★しかし本居宣長を引きつつも小林は、「てにをは」は語にあらず。漢文の助字にてはあらず。漢文に展倒があるのと同じとでも言ふべきものであると。「てにをは」は漢文や欧文の語順のほうに当たるのだという。続く
2017-03-18 20:48:00
前回「一冊50円」で店じまいの古書店から買った貴重な1冊としていたのが、この小林秀雄『本居宣長』昭和53年(1978年)、新潮社、である。小林にこの著作があることは、以前から知っていた。この堂々の大著は、607頁という浩瀚ということもあるが、読み進むと恐ろしく「読み進みにくい」本で、入手以来かなり日数がたつが、一度に数頁もはとても「進みにくい」本である。私だって人並みの読書力はあるつもりだが、読む都度考えさせられるところが多くて、早くは読めない。★本居宣長は、「国学者」の一人といわれる。「国学」とは、『広辞苑』第4版によると、「古事記・日本書紀・万葉集などの古典の、主として文献学的研究に基づいて、特に儒教・仏教渡来以前におけるわが国固有の文化および精神を明らかにしようとする学問」であると、その第3項に書いている。★「わが国固有の文化および精神」を明らかにするという課題が日本人にとって重要であることはいうまでもない。この小林著を手にして痛感するのは、「わが国固有の文化および精神」の内実が何なのか、その内実を探る仕方がどういうものなのか、ということ自体が、こういうことを考えるという課題自体のありようが、単純に天下ってくるのではなくて、重大な思索の対象になるということが、提示されているということである。この本居宣長という人物の偉さは、この課題を堂々と真正面から日本人に問うている点ではなかろうか。
2017-03-17 20:55:00
雨竜沼湿原って、何だ。北海道では湿原と言えば釧路湿原が有名だ。しかし札幌近辺に立派な湿原がもともと存在している。それが雨竜湿原である。雨竜湿原は、雨竜町の西、増毛町の南、浜益村の北方にある。お恥ずかしながら私も、この推理小説、梓林太郎『北海道雨竜殺人湿原』1993年、徳間書店、を読むまで知らなかった。★最近閉店する古書店があり、そこが「1冊50円」でなんでも放出するというので、見に行った。そこで思わぬ貴重書(今度書く)も入手したが、店主に「北海道の本がないか」と聞いた。郷土史の本でもあればと思って。ところが店主は、店内をぞろっと回ってから、手にした本を数冊差し出した。なんとみんな「北海道」の地名のつく推理小説ばかりで、それもずいぶん古い本である。「店の大半が漫画本なのだから、仕方がないなー」と思い、それらの推理小説を引き取った。上記『雨竜殺人湿原』がその1冊だ。★札幌から数時間でゆけるところにこんな立派な湿原があったのだ。この小説では東京の人間が旭川空港に降り、旭川から汽車で深川へ行き、深川からマイクロバスで雨竜湿原に向かうとある。湿原には南暑寒荘という山荘が、拠点として存在することになっているが、いまはどうなっているのだろう。私なら札沼線の終点から雨竜町に向かうだろうな。それとも増毛町に滞在しながらこの湿原に通うか。★札沼線の人、教えてください、どう「観光」するのがいいのか。