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2025-06-30 18:23:00
昨日独り言を書いたように、「選挙期間中」は新聞も、実にネットも、配信を控えるようになるようです。「選挙違反」にでも問われたら、詰まりませんので。ただ、国際社会は動いており、とりわけ我が国の「国内政治経済」にとって「大前提」になっている米国の政治経済、トランプ氏の政治経済、はやむところないはずです。(ただ日本国内でそれを私たちが語ることはほとんどないんですね。北海道でこのまえ、選挙を前にした公の討論会があったようだが、その中身をみると、その全員は米国に関しては一切自分の討論の話題にしないんです。)それでね、たとえばトランプ氏が熱中しているアメリカ第一の仮想通貨元年(間違いなくどっと日本に押し寄せるんですけどね)とか、ヨーロッパもアジアも米国に依存しないで国をまもるようにと、GDP5%の国防費を強請していることとか(日本に押し寄せないはずはないんですが)、今度の選挙に関する話題には全然登場しないのですね。いったい選ばれる議員は、日本の政治経済を運営する議論ができるのかしらん。/それで私は選挙の期間、第2次大戦の終結から今日に至る米国の歴史的期間を、トランプ氏はその期間に築かれた国際的な平和主義と民主主義を破壊し、全否定しようとしているようですから、それがどういうものだったか、この機会にゆっくり回顧してみようと思っているのです。今日手にして読んでいるのが、ボブ・ウッドワード『大統領執務室』文芸春秋、1994年、という本で、30年も前のクリントン第1期のことだが、その大統領執務室が実に詳しくえかかれているので、ついついトランプ氏のやり口を思い出しながら、比べてみたくなるのです。そういう興味で読むと実に面白い。これは当時よく売れた本だが、今読むとこれまた時宜にかなっています。
2025-06-29 12:25:00
私は、休む気はない。その期間、「大きな時間的背景」に考えを巡らせたい。その「大きな時間的背景」とは、これはほぼ衆目の一致するところ、まず「第二次世界大戦終結の時」すなわちブレトンウッズ体制成立の時、である。次が「1970年代のいわゆるニクソンショックの時」である。最後が、「現在の第2次トランプ政権の時」である。1945年から2025年まで、約80年間だ。この期間を、「覇権国であった米国」を中心に見る。そしご覧のように、出発点、中間点、終結点、すべて「世界的通貨の制度的ありよう」の「変革期」である。おそらく大方の人々に異存はあるまい。この80年間は、「覇権国である米国が唱導し、リードした、世界的民主主義と平和の時代」である。そしていまトランプ氏を評価する多くの論者たちが、盛んに話題にし、盛んに攻撃している「世界的民主主義と平和の時代」でもある。なおさしあたり日本を度外視してこの課題を考えよう。どのみちこの期間の日本は、時代を作るというよりは、時代に同調した国なのだから。そういう意味でのみ、「時代を作ってきた国々の一部」なのだから。
2025-06-29 08:34:00
政治的争点は、もうトップ紙面にはなじまず、新聞はだんだん当たり障りなくなってくる。朝日、道新、スポーツ新聞も。このところ「身近な詳報」というものが絶えていた「12日間戦争」でのイラン国内の実情が、次の配信記事で伺い知られる。この記事の主人公である日本人学校長が、大使館に頼って国外退避する決断に至ったタイミングは、イスラエルによるテヘラン市内への空襲が、軍事施設目標ではなくて、民間のインフラに向かった時、そして、インタネット回線が切られた(これはイラン当局者が切った)時、であると。6/28 神戸新聞配信。「イラン首都の日本人学校長が見た戦時下のテヘラン石油施設空爆で空に黒煙『死ぬかと思いました』」。
2025-06-28 08:17:00
朝日新聞は今日、大きな紙面1頁とった解説記事で、国際紛争の解決には国際法優先と言う立場を明瞭にした。/これは現在、大変に思い切った態度表明である。当たり前の態度、と言うかもしれないが、残念ながら、いま世界中で起こっていることは、大国によって国際法を無視して起こっているからである。「誰が猫の首に鈴をつけるのか。」/現在中東では、イスラエルという「聖なる国」は、ガザを不安のどん底に追い込んでいる。米国のトランプ氏は、唯我独尊で、イランを制圧しようとしている。イランは自国の権益が守られないと言って、国際原子力機構から脱退しようという。ロシアは今では公然と、ウクライナがロシアのものだと言い張っている。トランプ氏の米国は、いろいろのディールをヨーロッパ世界に持ち掛けたが、それらのどのディールも、国際法上は疑問の多い代物だ。/いま仕掛けられているトランプ氏の関税戦争も、国際秩序からみたら一方的大暴挙ではないか。トランプ氏については、国際法どころか、米国内法からみても為政者のやるような行動とはとれない振る舞いが多すぎる。/朝日新聞は今日の天声人語欄を使って、トランプ氏の乱暴さを責めた。/トランプ氏の登場によって歴史は変わった、という文明論は、もういい加減にしようではないか。  
2025-06-27 12:14:00
道新は、中東のトランプ氏とイランのディールのありように興味を集中したが、大紙面を割いて、ピエール氏という人のトランプ評を傾聴した。ピエール氏は欧州の人らしい鋭い論理で、トランプ氏の政治を批評して、大いに傾聴するところがあった。この人の場合も、勘所の議論で、ハナ・アーレントの論評を取り上げている。/トランプ氏は第1期政権のときには、周囲に引き留める人物がいたせいか、無茶も中途半端で終わったが、今度の第2期では周囲をすっかりイエスマンで固めてしまったので、誰もトランプ氏を引き留めず暴走しているという。ピエール氏によるとトランプ氏は暴君専制で、傍若無人。自分の政治をすっかり嘘で固めている証拠に、この民主主義社会で政治的嘘というもを許さない領域が3つあるが、それが1.司法、2.メディア、3.大学だと。トランプ氏が司法、メディア、大学を目の敵にして押さえつけようとするのは偶然ではないと。/朝日の戦後80年という論説が、論理が甘くて大きくずっこぬけるのと比べると、このピェール氏の論法の方が隙がない。朝日の論説のほうは、戦後80年と銘打って「嘘で固めた過去」とすれば、「新日本も新憲法も」米国統治下で成り立ったのだから、これも嘘だよ、と暗に前提している、ぐらいのことは、別に文明批評家でなくとも容易に察知できよう(欧米の読者を前にしたら、こういう論法は通用すまいよ。シエーム、こういう時に英米人なら批評して言う。)そうすると、男女平等も、耕作民が農地を所有することも、なにもかも昭和20年以前に戻して、さあどうしようと言っているわけかね。欽定憲法下で考えるしかなくなるではないか。戦争に負けたことは、当時の指導者の一人がつぶやいたように、「一億総ざんげ」して反省するんだと。そういうことかね。
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