インフォメーション

2016-06-30 11:30:00
今日で6月が終わります。 札幌の気温は、今日最高26度、最低15度。昨日は最高28度だったが快晴、今日は雲が出た分、気温が下がった。 テレビをみていたら、こんなことを言っていた。この「公式発表気温」は「芝生の上、日陰の温度」だ。日の当たるところへ行けば、気温はさらに8度は上がる。そしてコンクリート上あるいはアスハルト上なら、さらに3度は上がる。私たちは本州の35度だの40度だのという温度を、札幌でも日向に出さえすれば容易に経験できるというわけです。(そんなことはしたくはありませんが)。「気温38度を超すと熱中症」と言われる。外で草取りするときなど(札幌でもお昼前後なら容易にそのような温度になりうるから)気を付けましょう。そうすると本州で「40度」などと発表されているのは、これだと「日陰にいても熱中症になりうる温度」だというわけですね。札幌の水道はわりといいと言われているし、日中でも日陰の部屋なら冷えた水道水が飲めます。今日は裏側の窓を開け放っておいたので、家じゅうに自然に空気が通い、過ごしよくなっています。いまうちではイチゴとサクランボの取入れ中だが、もう4-5日で終わります。やがてツタバラがきれいに咲くシーズンになりました。 今日は暑い話題でごめんなさい。
2016-06-26 20:48:00
前回「ウォールストリート・ジャーナル紙6月25日付ブログ版」より、として書いたことの続きである。 「英国は再びEUの市場に加われ」と勧めているのだが、今英国は国民投票で離脱と決めたばかりだが。 言わんとしていることは、EUが頑固さをすこし改めて、もうすこし緩やかな条件の市場に立ち返ったら、英国は再びその欧州市場にもどったらよかろう、という勧めである。英国に否やがあろうとは思えない。 ではEUが、その頑固さを和らげることがありうるのか。昨日フランス外相の演説の中で、「ローマ条約の精神に立ち返り」と述べていた。ローマ条約というのはEUの前身であるEEC(ヨーロッパ共同市場)にかかわる条約で、その内容は加盟国域内関税引き下げと加盟国経済政策の協調しか内容としていない。今日からみれば政治的縛りが非常に少ない市場協定である。「ローマ条約の精神に戻れ」というセリフの陰に、EU上層部には「共同市場への復帰」という発想もありうることを示唆していると読むのは、深読みか。むろん戻るにしても、すっかりEECに戻るには及ぶまい。近年EU加盟国の内部でEU離反の声が多いケースは、EU加盟条件としての財政規律の件である。EUは理想的統合をあまりにも急ぎすぎた。このへんで少し再考しないと、とても収まりがつくまいとは思う。 なお、6月26日付「日本経済新聞」ブログ版によれば、EUは英国との間で包括的な経済・貿易協定を結ぶ用意がある由。 しかし、私は思う。現在のEUがまだ米国とも、中国とも、貿易協定を結んでいないのであれば、EU離脱を表明しようとしている英国は、EUとの新「経済・貿易協定」の談合に入るのと並行して、米国とも、そして中国とも、「経済・貿易協定」を談合するめぐりあわせになりはしないか。その場合の米国との談合は、あるいは英国のNAFTA加入協議になるやもしれないね(NAFTA加盟はあくまで可能性の問題だが)。 それに、英国が「英連邦」諸国を引きずっていることを考えれば、事態は思う以上に大型であろう。
2016-06-25 22:15:00
ウォールストリート・ジャーナル紙ブログ版は、2016年6月25日付社説で、英国に望むこと、として、米国またはEUの市場に加われ、移民への道をまったく閉ざすことがないように、と求めている。 「EUの市場に加われ」は、そのまえにEUに注文を付けて、「初心に戻ってEECのような共同市場体制を重視すべきではないか」とした後、それを前提にして「英国よEUの市場に戻れ」というのである。それなら英国が反対する理由はなかろう。しかしEUが頑固なら、「NAFTAに参加したらどうか」というのである。(これじゃ、米国の属国になるようなものだね) しかしずいぶん穏やかな語り口で、ひどいことをいうものだね。
2016-06-25 20:25:00
これは前回の書き込み「EU離脱後英国の世界構想」に続いて、私が、その世界構想に釣り合う「英国の新国是」を勝手に絵にしてみたものです。べつにどなたの了解も得たものではない。 いま世界に起こっている新しい事態を観察すれば、米国とEUという二大勢力に対して、「第三の世界」が必要になっている。英国はこの「第三の世界」の中心になって、世界の諸国と米国およびEUとの関係を取り持つ地位にありたい。 その特に重要な課題は、中国、インド、ロシア、ブラジル等々、いわゆる資本主義の「新興諸国」をどう糾合するかということである。これらの新興諸国は最近目立って存在感を増してきて、それ以前の国際関係の常識では処理できなくなっている。その場合、米国にぴったりくっついている国、EUにぴったりくっついている国、は二義的となろう。わが日本は現状ではあまりにも米国にぴったりくっいているので、「特殊な場合」についてしか、この件には該当しない。 あくまでも独立独歩の気概がある国々を対象に考える。 また、あまりにも金融経済化したグローバル的経済と、本来の地域性の強い国民的経済の間に、どの先進国においても深い亀裂が生じて、体制の存続を難しくしている。英国自身がそれ自体におけるこの「亀裂」を見直し、埋める決断をすると同時に、同様の国民的課題に苦吟し従来の体制を変えようとしている国々に強力なサポートを与える。早い話、EUの構成国でありながら、EUの下にあるがゆえに自国のアイデンテテイ確立に苦しむ諸国、たとえば、スペイン、イタリア、ギリシヤなどに、しかるべき支援を与える。 国際的・国内的に、いくつかの原則を建てよう。 1. 頑固な原理主義はすべてこれを排する。いま地上にある国々は、かならずしも同じ発展の平面にはいない。どんなに「素晴らしい」原理であろうが、絶対の原理は支持しない。 宗教上は、「宗教多元主義」をとる。ある国の宗教なり文化なりは尊重するが、それを他に強制することは支持しない。 国際協定は、常に協定目的に限定して行い、頑固な政治的拘束を常に排除する。 2. 経済交流の多くは、物の交流(貿易・投資)を中心にし、移民は極めて限定するか、あるいは扱わない。(デッキパセンジャーと観光客は奨励するが、移民は限定する。) 軍事交流は原則として行わない。知恵と情報の交流はもっとも活発にする。要するに「トラフイーク」だ。各国の内部に深入りして各国のアイデンテティを変えてしまうような交流は、志さない。 新しい文物の移転にさいしては、その国による受容が穏やかに、段階的に進むように配慮する。 別に、国際連合なり、その他の国際機関になりかわるものではないから、それらの国際機関とは妥当な折れ合いを図る。等々。
2016-06-25 12:51:00
6月23日の国民投票で英国のEU離脱という方向が決定した。さてこれからの英国はどうなる? ブログは日本では、「大変だ」「困った」という大合唱になった。大概の日本のメディアが意見を述べている。 私はそれを読んでがっかり。ひとつだけまともなのは、浜 矩子氏の冷静なコメントである。島国にして海洋国である英国は、しょせん大陸のEUとは肌が合わない、と。 もともとEUが理想的な「ヨーロッパ合衆国」なのではない。この現実的観点が日本のブログ諸氏にはすっかり抜け落ちている。 さてEU脱退と決した英国の国民は、何をどう考えるか。ここはひとつ英国国民の目になり代わって「絵」を描いてみれば、ある種の構想がどの英国民にも浮かび上がってくるだろう。そのようなナショナル・プランとその支え手が登場してくるのは時間の問題である。(いや、もうあるんじゃないの?)いわば新大英帝国構想である。 思ってもご覧。国民投票を終えた英国民の目の前にあるのは、もうEUなどではない。かつてナチスドイツの広域経済圏が内容となっていた欧州大陸ではないか。もう150年さかのぼると、ナポレオンが統一して「英国上陸」をうかがっていた欧州大陸であろう。つまり、敵国EUである。 第2次大戦後を考えても、EEC(EUの歴史的母体)がベネルクス3国、独仏伊の6か国で誕生し、ヨーロッパ共同市場を作った時も、英国はこの動きに対立的に動き、EFТAという同盟を主導した。 今日の英国をもたらしたのは、1980年代以来のグローバリズムと経済金融化の流れにすっかり乗ったことによる。投資自由化によって招いた大量の外国企業(その中に1000社余の日本企業もあり、これらの企業は英国からEUに輸出できることを大きなメリットとしていた)。ロンドンのシティ金融街に外国の金融業者を大量に入れて、それいぜんからあった「ユーロ金融市場」(このユーロは、EU通貨という意味ではない)の発展に上乗せして、世界にもまれなる金融的経済を作り上げたこと。 それがいま、このような金融的経済と外国企業のEUへの輸出だけが幅を利かせる現在の英国経済は、英国地方の元来の英国国民の生活利益をさっぱり重んじていないという不満が、今回の国民投票で爆発したわけである。 さあ、EUから自由になった英国は、どう生きるのか。 構想というものは、あまり詳しく出すと、かえって現実性を失う。内部に多少の矛盾を抱えることを覚悟のうえで、おおざっぱに言うに限る。 私が英国民なら、「7つの海構想」を出しますよ。 もともと英国は海洋国で、海を通してひとたびは世界を征服した。 「7つの海」とは、中世の呼称で、今日であれば、大西洋(南北)、太平洋(南北)、インド洋、北極海、南極海を現代版7つの海というそうです。この7つの海で英国が活躍する国策を建てようというのです。 もちろん今日の英国には、かつて存在した無敵艦隊はない。またかって存在した「産業革命に支えられた世界の工場」はない。ないものはしかたがない、新たに「頭の力」で、その多くは外交力で、補うしかなかろう。 およそ英国がこれまで常に分裂の危機にさらされていたのは周知のところで、スコットランドの女王が英国の王位をうかがったり、イングランド軍とスコットランド軍が激突したり(このときスコットランド軍の英雄を映画ではカーク・ダグラスが演じていましたな、映画の題名は忘れたが)したであろう。その都度イングランドが新たな発展の展望を切り開いていた中で、そのような離反をイングランドは止めえたのではなかったのか。私のいわんとするのは、発展構想と発展の現実がある中で離反に対応する工夫もありうるので、イングランドになんの構想もなければ久しい昔に英国は分散化していましたよ。 海ごとに数えてゆこう。 1. 北極海構想。英国から東へ、「北海」--北欧諸国、「北極海」--ロシア、その出口の日本。以上が北極圏航路ですね。ここで「北太平洋」--中国、フィリピン、その他アセアン諸国。あるいは、「北大西洋」--カナダ、米国。 2. 地中海構想。英国から南東へ、「地中海」--イタリア、ユーゴ、ギリシャ、「黒海」--トルコ、中東諸国、ロシア。 ここから「スエズ運河」--エジプト、北アフリカ諸国、「紅海」--中近東諸国、「インド洋」--インド、東南アジア、中国。 3. 南極海構想。英国から南へ、オーストラリア、ニュージーランドの南、チリ、アルゼンチンの南。 4. 大西洋構想。英米枢軸。カナダとの関係、南米諸国との関係。「パナマ運河」「太平洋」 こうかいてゆくと、構想の一端がすぐ見える。この構想は、北欧諸国、南欧諸国のEUからの離反を誘っているのです。 この構想は、新興諸国を誘い込もうとしているのです。とくに中国、インド、ロシア、ブラジルなど。 この構想では、ロシアと日本は、非常に重要な位置を占めています。この構想のもと、英国としてはロシアを誘い込み、日ロ平和条約をさせてロシアに4島を日本に返還させ、その見返りに日本が千島列島の経済開発と北極海沿岸の経済開発に資本と技術を提供させるという外交をする必要があります。昔大英帝国はロシアの南下を防ぐために日英同盟を結びましたが、今度は日ロ協商をなりたたせることが英国の国益となります。 ロシアを抱き込むためには、ロシアにセバストポーリを与える必要がありますね。 世界構想としてこれに近いアイデアをもっているのが、中国で、中国のいわゆる海のシルクロード構想ですよ。すでにマラッカに中国は新たな運河を掘ろうとしています。ある意味で中国は、英国とウマが合うでしょう。 きりがないのでこの辺でやめておきますが、英国は世界の各地でGO BETWEENとしてふるまいながら、その仲介の手柄によって一個の勢力として存在しようというので、大きく言えば、米国とEUの中間に、中国と向かい合って立つ仲介勢力となろうというのです。 こういう国には、国是、というものが必要で、その国是によって多くの国々の共感を得ようというのです。 改めて英国の新国是を考えてみますが、まあいずれ英国人がこんなようなことを考えるでしょうよ。 (ひとつわかりやすい手がかりがある。英国の中国観は、日本の中国観とは一味違いますね。研究してみる気はありませんか。それから、こういう話はいま先を急いでいるので、拙速でやれることをやっておいたほうがいいのです。) まあ、私の欧州との付き合いは長いので、別の話はまた別の時にします。
1 2 3 4 5