インフォメーション
2025-05-15 05:41:00
トランプ氏の覇権とGAFA(最近はこれにMを加える人も多い)の「経済・一人勝ち覇権・グループ」の統合戦線に対して、迎合型と反発型の二種類の「反応」の流れがあり、私たちの時代は、すくなくとも現実はこの二種類をそれぞれ常に観察して、ご自分の主体性はどちらにあるのかなあと、常々思案されるがよろしかろう。日本政府にも日本のジャーナリズムにも、ご自分のため、そうなさるようにお勧めしたい。今の瞬間、第1のタイプ(トランプ迎合型)は、5/14配信、THE GOLD ONLINE 「三井住友DSアセットマネジメントのチーフグローバルストラジテスト 白木久史氏による寄稿」「パウエル氏を追い込む『もう一つのジレンマ。ぶつかり合う『頑なさ』が拓く最悪の事態』である。第2のタイプ(トランプ反発型)は、5/15配信、Wedge ONLINE 「『俺の好きなように関税をやる』と言い張るトランプ...目指しているのは自分中心の米国の朝貢制度、まるで文化的洗練さもない明朝の異常のよう」、である。第1が述べていることもまさしく現実であるが、第2が述べていることもまさしく現実で、もし「世論」というものがあると想定すれば、「世論」は真っ二つに分かれているのだ。読んでいただければ私の言わんとすることはおのずとわかる。
2025-05-14 16:55:00
北海道新聞5/14号の1ページ「森永乳業恵庭に新工場」。2027年4月の新操業を目指す由。生乳の生産は道内こそ増勢を維持してきたが本州はじり貧、世界的にも頼りないと。まことに心強い話。ぜひいつまでも新鮮な牛乳を飲み続けたい。/なんだ嫌に古い話題とやけに新しい話題が同時に出るのかというかもしれないが、それが我々の生きている今だ。/仮想通貨方面では、「スターツコーポレーションがみずほ証券と提携して不動産を裏付け資産とするセキュリティ・トークンを発行する」という話題がつい2-3日前に現れた。日本でも、身近な企業が、こういう業態を展開する。/仮想通貨の出現は「時代の当然」。考えてもごらんなさい。「いま商品の主力が『情報』だ」と言うのなら、「貨幣」のほうも相変わらず「銀行預金」が「通貨の主力」のままではありえないことになろう。しかし今の日本政府も経済界も「新しい通貨秩序」なぞにおおわらわに取り組むガッツなぞない・さしあたり拒絶反応が目立つ。/古の「銀行預金」成立期(19世紀英国)には国民経済学という「国民的思考」が発展し(アダムスミスはその代表)国民のいろいろな経験も国民経済学の中に入っていった。(それが今日の貨幣・金融論の中にも跡をとどめている)しかし今日、国民的思考も国民的討論もさっぱりないのに、「新しい貨幣」と称する現象だけが頻々と起こる。/これも現代。さあどうしょう。
2025-05-14 06:39:00
5/13日配信、産経新聞「トランプ氏がサウジ訪問 サルマン皇太子と会談、経済協力で一致」。トランプ氏の中米訪問は「やはり」二重のTrader役が主たるねらいだ。第一のTradeは、サウジアラビアに米国から大量の武器を売りつけ、サウジから大量の対米投資(1兆ドルという目標値まで明示している)を得るという取引。米国にとって願ってもない国家間取引を米国大統領自らが取り結ぶという。さて「第2の取引」とは、これは私のまったくの憶測・政府も新聞もネットもこういう憶測はしていない・トランプ氏は米国「ウオール街」のトップディーラーとして振る舞っているのではあるまいか。つまり「サウジが約束した」という対米投資の「中身」である。いまトランプ氏はトップディーラーとして国としてもトランプ氏としても一番売りたいものをサウジに売る約束を取り付けたのではないか。「暗号資産」だが、とくに米国ドルと絡めているステーブルコイン建て米国債だ。これをサウジという国家に買わせようという。なおこの私の憶測の出どころは「単純」。今となってはずいぶん古い話だが、マイケル・ルイス『ライアーズ・ポーカー』角川書店、1990年だよ。この中にトレーダーとなったルイス氏の回顧談が書かれているが、投資会社がその時点で一番売りたい投資銘柄を売るに際して、「簡単に乗ってくれる第一番の顧客」として「中東の富豪」だと書いている。大統領みずからTraderになるとはいかにも米国らしいね。
2025-05-13 10:20:00
北海道新聞5/11日号7ページに、「今日の話題 高関税の手引書」(川合 朗氏、経済部長)が載っている。米国大統領経済諮問委員会のスティーブン・ミラン委員長が2024年11月に発表した論文「世界貿易システム再構築のためのユーザーガイド」が、今回のトランプ氏の高率関税強制の「種本」で、「ドル高是正に向けた通貨協定」を結ぶことが米国政府の狙いであり、この政策を「マールアラーゴ合意」と称していると。/川合氏は、もし事実米国政府の狙いの中心がここにあるとすると、米国は当然にきわめて明示的に日米交渉で提示しているだろうと読む。ところが日本政府の公開されている挙動は、もっぱら「農産物の輸入増」の提案をしているように見える。これは誰が考えても奇妙奇天烈。交渉の内容は本当のところはどうなっているのだろう。そこで「米国債を100年債に切り替えさせ、塩漬けにする」という米国の提案をとっくに受諾しているのではないかと言う邪推も生まれようものだが、実はこの「塩漬け案」もさきのミラン論文には書かれているという。/しかしこれでおさまるのかな。EUや日本だって中央銀行がステーブル通貨と言うデジタル通貨と通貨の関係をどうするというような検討はすでに研究している。問題は、米国政府も「ドルによる世界再征服」のために米ドルとステープルコインを結び付ける「元年」に今年をしようと言う行政的策謀を進展させている最中だが、日本もこの米ドルに紐づけされたステープルコインを日本円に紐づけるものとして採用しないかと盛んに口説いている最中ではあるまいか。日本的ステーブルコインはやめろと言ってね。米国債のほうは今にデジタルコイン建て米国債を発行して従来の米国債をおきかえてゆくと。いま米国内で狂乱している策動を見ているとそういう風に想像できる。時代の全体をどうとらえるかというまあたいへんなことが問われている。
2025-05-12 18:33:00
すでにネットで広く提示されているから、ご覧であろう。ところで、トランプ氏の国際貿易差額強襲政策で貿易差額(黒字)をあぶりだすという発想について、ギリシャ人のYanis Varoufakis氏が独特の観察をしていたということをこのほど私は知った。Yanis氏がヨーロッパを中心にかなり知られていた人なのに、私はいまようやく知って、氏が、一方の国際的負債の山と、他方の膨大な貯蓄という矛盾は、共通通貨での評価の下で「相殺」して世界的統一機構が国際経済危機解決のため用いればよい、これは20世紀中頃のケインズ案の骨子ではないか、という言論も知った。ネットでYanis氏関係の記事が大量に存在するので、それをお読みいただきたいと、ここに記しておく。なお中野剛志氏がネット文春オンラインに、「イーロン・マスク、ジェフ・ペソス、マーク・ザッカーバーク...テック業界の『領主』が不労所得を得る現代の経済は『テクノ封建制』だ」という記事を書いているのでご覧あれ。トランプ氏の「政策」の「構造的成り立ち」を理解することが、個々のトランプ氏の所業を云々する以前に必要だろう。日本政府にこういう姿勢はあるかな。それとも同類か。