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2023-10-22 09:08:00
キリスト生誕の頃の中東は、『新約聖書』を読み返していただきたい。キリストはユダヤ民族の人であり、キリスト生誕のベツレヘムは・その近辺は・ユダヤ人が住んでいた(聖書の記述から伺える)。その地はローマ帝国の支配下にあり、ローマから任命された総督が支配していた(聖書の記述に詳しいから、読んでいただきたい)。さてその後キリスト教はローマ帝国領内に広まり、ついにはローマ国教となり、ローマ滅亡後の中世には、「ヨーロッパ統合の中核」としてヨーロッパの魂となった・ローマンカトリック教会。ところでユダヤ民族から出たはずのキリスト教は、ユダヤ民族の内部では「ユダヤ教」という独自の「キリスト教」となって現代まで生きている。イスラエルのユダヤ民族が信仰しているのはこの「ユダヤ教」であり、その信者は米国内にもかなりの人口を擁している(米国内のユダヤ人)。/ところでキリストゆかりのイエルサレム聖地は、紀元7世紀以後の世界史ではイスラム教徒の聖地でもある。中世のかなりの期間、ヨーロッパのキリスト教徒が組織した「聖地奪還戦」(十字軍遠征)が企てられたが、文字通り「聖地を奪還」しえた機会はかずすくなかった。/イエルサレム聖地でのキリスト教徒とイスラム教徒との共存は、無慮千数百年に及ぶ悲願で、今日それは、イスラエル国とパレスチナ国との共存の悲願として、我々の目の前にある。詳しくはあなたの近くにキリスト教徒がいたら聞いてください。私なぞよりずっと詳しいだろうから。(多くのクリスチャンは、イエルサレム現地に行ったことがあるかもしれませんよ。)
2023-10-21 16:37:00
北海道新聞10月21日号 3頁。「ニュース虫眼鏡 イスラエル、ハマスと戦闘 領有巡り対立 融和の気分移転」。 問答風の解説記事。「融和の気分」とは、サウジとイスラエルが国交正常化交渉をすすめていたところだったのが、今回棚上げされたということだ。ここで述べられている記事に追加しておきたい知識は、このイスラエル建国(1948年)が、独特の世界史的事情で成り立ったという史実だ。もともとこの地域にユダヤ人の集住する場所はなかった。西アジアにユダヤ人の国は確かにあったが、それは2000年以上も昔の話で、「旧約聖書」的歴史である。その後はユダヤ人の集住したというほどのことはない。紀元7世紀にマホメットによるイスラム教という世界宗教が始まり、それ以来中東はイスラム教の下、アラブ民族とペルシャ人の多くの国ができて今日に至っている。ちなみにエジプトもトルコもイスラム教の国だ。/第2次大戦が終わったとき、自分たちの民族の国を作りたいというユダヤ民族の悲願を受け入れて、米国と英国が強い後ろ建てになって、パレスチナにイスラエル国が成立した。その同じ地域には従来パレスチナというイスラム教の国が存在していたので、パレスチナの人々を少し避けさせてイスラエル国が成立した。「なんとかユダヤ人がイスラム教徒たちと共存して生活できないか」という願いは、両者の鋭い対立によってかない難く、西アジアはイスラエルをめぐって世界中で最も紛争の多い地域であり続けた。/米国の世界覇権が永遠に続くのならともかく、未来が不確かであれば、早い時期に中東平和の確固たる基礎を築かねば、未来はたいへんなことになる可能性がある。
2023-10-20 19:37:00
北海道新聞10月20日号 2頁。「米、戦闘中断案に拒否権 安保理イスラエルを擁護」。「国連安全保障理事会は18日、イスラエルと、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとの戦闘を「中断」するよう求める決議案を採決したが、常任理事国の米国が拒否権を行使し、否決した。理事国15か国のうち、日本を含む12か国が賛成した。/決議案は議長国のブラジルか提出。ロシアと英国は棄権した。当初は16日に採択する予定だったが、米国の要求などから延期されていた。以下略」
2023-10-19 17:11:00
国連で「とにかくガザは一時休戦を」、こういう決議案がブラジルから出され、常任委員会で2票の反対があって否決されたそうだ。ちなみにわが日本は、賛成に回ったそうだ。「日本との一体感」を、感じるよ。
2023-10-18 16:47:00
北海道新聞10月18日号 7頁。「社説 イスラエル ガザの人道危機回避を」。現在のガザ地区の置かれている状況に、イスラエルが地上侵攻することは、間違いなく恐るべき惨状を生む。なんとしても停戦してもらいたい。/現在の世界は、このことを訴えるというただそれだけのことですら、非常な勇気を要すると思う。よくぞ意思表明をしてくださった。