インフォメーション
2025-06-29 08:34:00
政治的争点は、もうトップ紙面にはなじまず、新聞はだんだん当たり障りなくなってくる。朝日、道新、スポーツ新聞も。このところ「身近な詳報」というものが絶えていた「12日間戦争」でのイラン国内の実情が、次の配信記事で伺い知られる。この記事の主人公である日本人学校長が、大使館に頼って国外退避する決断に至ったタイミングは、イスラエルによるテヘラン市内への空襲が、軍事施設目標ではなくて、民間のインフラに向かった時、そして、インタネット回線が切られた(これはイラン当局者が切った)時、であると。6/28 神戸新聞配信。「イラン首都の日本人学校長が見た戦時下のテヘラン石油施設空爆で空に黒煙『死ぬかと思いました』」。
2025-06-28 08:17:00
朝日新聞は今日、大きな紙面1頁とった解説記事で、国際紛争の解決には国際法優先と言う立場を明瞭にした。/これは現在、大変に思い切った態度表明である。当たり前の態度、と言うかもしれないが、残念ながら、いま世界中で起こっていることは、大国によって国際法を無視して起こっているからである。「誰が猫の首に鈴をつけるのか。」/現在中東では、イスラエルという「聖なる国」は、ガザを不安のどん底に追い込んでいる。米国のトランプ氏は、唯我独尊で、イランを制圧しようとしている。イランは自国の権益が守られないと言って、国際原子力機構から脱退しようという。ロシアは今では公然と、ウクライナがロシアのものだと言い張っている。トランプ氏の米国は、いろいろのディールをヨーロッパ世界に持ち掛けたが、それらのどのディールも、国際法上は疑問の多い代物だ。/いま仕掛けられているトランプ氏の関税戦争も、国際秩序からみたら一方的大暴挙ではないか。トランプ氏については、国際法どころか、米国内法からみても為政者のやるような行動とはとれない振る舞いが多すぎる。/朝日新聞は今日の天声人語欄を使って、トランプ氏の乱暴さを責めた。/トランプ氏の登場によって歴史は変わった、という文明論は、もういい加減にしようではないか。
2025-06-27 12:14:00
道新は、中東のトランプ氏とイランのディールのありように興味を集中したが、大紙面を割いて、ピエール氏という人のトランプ評を傾聴した。ピエール氏は欧州の人らしい鋭い論理で、トランプ氏の政治を批評して、大いに傾聴するところがあった。この人の場合も、勘所の議論で、ハナ・アーレントの論評を取り上げている。/トランプ氏は第1期政権のときには、周囲に引き留める人物がいたせいか、無茶も中途半端で終わったが、今度の第2期では周囲をすっかりイエスマンで固めてしまったので、誰もトランプ氏を引き留めず暴走しているという。ピエール氏によるとトランプ氏は暴君専制で、傍若無人。自分の政治をすっかり嘘で固めている証拠に、この民主主義社会で政治的嘘というもを許さない領域が3つあるが、それが1.司法、2.メディア、3.大学だと。トランプ氏が司法、メディア、大学を目の敵にして押さえつけようとするのは偶然ではないと。/朝日の戦後80年という論説が、論理が甘くて大きくずっこぬけるのと比べると、このピェール氏の論法の方が隙がない。朝日の論説のほうは、戦後80年と銘打って「嘘で固めた過去」とすれば、「新日本も新憲法も」米国統治下で成り立ったのだから、これも嘘だよ、と暗に前提している、ぐらいのことは、別に文明批評家でなくとも容易に察知できよう(欧米の読者を前にしたら、こういう論法は通用すまいよ。シエーム、こういう時に英米人なら批評して言う。)そうすると、男女平等も、耕作民が農地を所有することも、なにもかも昭和20年以前に戻して、さあどうしようと言っているわけかね。欽定憲法下で考えるしかなくなるではないか。戦争に負けたことは、当時の指導者の一人がつぶやいたように、「一億総ざんげ」して反省するんだと。そういうことかね。
2025-06-27 08:28:00
今朝の朝日新聞は、11頁に、頁全部をとって、佐伯氏とかいう思想家(文明批評家か)の「日本の戦後80年」を論評するぶち抜き記事を出した。この文章は、1970年に出た江藤淳という思想家(この人も文明批評家?いや文芸批評家か)が発表した文章に全面的に依存してモノを言っている。いわく、戦後80年の日本の歴史は、「ごっこごっこ」ばかりのごまかしで明け暮れた、と。日本が米国と言う大国に政治的・経済的・金融的・社会的・文化的、なかんずく軍事的、に依存しながら、(つまり米国の51番目の州のような現実だったというのだ)あたかもそのようなことがないかのように装って、偽りの独自性を貫いているふりをしてきた、と。/してみれば朝日新聞も、新聞ごっこをしてきただけだ、と暗に自認しているわけだ。そもそも「穏やかな」社説のすぐ横に、他人に書かせた「大?」論評を載せる不見識が、それを示している。/大論評の結論は、日本人よ(特に野党の方々よ)、いまこそ日米安保体制を離れた見識と政治行動をお示しあれ、としている。/私見では、野田・立憲民主党はだめのようだな。野田党首の最近の言動は、政府に対して、穏やかに、穏やかに、という感じだ。それとも私の眼は節穴だったかな。ナニどの党派でもよい、どういう日本人でもよい、この「大論評」に向かったらよい。/スポーツ・ニッポン紙の社会欄は今日は文字通りの社会欄に徹した。仕方ないじゃないの。大朝日に比較しようというのがそもそも無理だった。
2025-06-27 08:21:00
別に驚くほどのことでもないのかもしれないが。10頁に社説があって、NATOの会合が今回「内向き」に過ぎたのではないか、と論難した。元来もっと国際的責務を語るべき会合が、自分らの軍事費負担を5%にしようという、トランプ氏提案の案件にかかり切った感じだったので。この軍事費問題を、「各国の問題」としないで、NATO全体の「努力目標」であるかのように決議文を細工したのがせいぜいの知恵。続く