インフォメーション
2025-10-23 07:06:00
トッド氏がいうには、女性一人当たりの出生率は2に近い値でないと現状の人口規模を維持できないが、それが日本が1.30、中国は1.16、台湾は1.11、韓国は0.81と、アジアが軒並み低い。これは「直系家族」のイデオロギー的表現である儒教の影響であろうと。アジア共通の少子化現象だが、新生児の性比を見ると、国ごとに独特の違いがある。ふつうは男児の方が多く、自然状態では女児100人に対して男児105人ないし106人である。この指標から外れて男児数が多い時には「選択的堕胎」(出生前診断による堕胎)が疑われるが、これの数値が2010年ごろ、中国118、韓国107、日本106であった。日本は正常値で、選択的堕胎はほぼ行われていない。中国は異常値で、人口構成が将来にわたっていびつになるだろう、韓国は1994年に115だったが、いまは正常にちかくなった、と。『トッド人類学入門』(31-32頁)
*近年、テレビドラマで、中国と韓国に由来する輸入ドラマが異常に多く配信されているが、そのどちらのケースでも感じる日本ドラマにはみられない「異常な飢餓感」を、奇異に思っていたが、これが当然なのかもしれない。この韓国の新生児性比の指摘は、現在韓国の男子青年層がどうして日本の女性に強い関心を示すのかという理由の一端を示すのかもしれない。
2025-10-23 06:46:00
10/22 郷原信郎氏 配信 「維新が"目くらまし"の『議員定数削減』に隠された『民主主義への重大な脅威』に最大警の警戒を」。//この文章は、議員定数削減をいま国会に上程することは、日本のタカ派国民政党をより大きく成長させるための政治的政略として大きく貢献するだろうと観察しているようだ。たいへん参考になった。
2025-10-22 08:40:00
10/22 産経新聞 配信 「高市首相 就任記者会見で安保3文書の改訂表明 全閣僚に『責任ある積極財政』を指示」。/お手並み拝見。平デジタル相の留任なかったのは、残念。石破内閣時代のレガシーを引き継げたのに。
/量子コンピューターと仮想通貨技術との密接な関係は、なかなか素人がうまく説明できないところだが、きわめて「致命的な影響」を受けるだろうことは間違いない。次の配信記事は、この難しい問題を丁寧に説明している。10/21配信 CoinDesK TECHNOLOGY Slamak Masnavi, AI BoosT
「 量子コンピューティングはビットコイン『最大のリスク』--ニック・カーター氏が対応を呼びかけ 」。この記事は、もう2回、追加して掲載される、と予告されている。もともとCoinDesk配信記事だから、詳細を知りたければコインデスク関係記事続報を待たれればよい。
2025-10-22 06:17:00
私たちがトッド氏入門として考える『トッド人類学入門』文芸春秋社、2025年は、とくに日本人にとってわかりやすい仕方で説かれていて、直接にはトッド氏最近著で、トッド理論の決定版と氏自身がしている『我々はどこから来て、今どこにいるのか』上下、文芸春秋、の手引書となっている。そしてこの『トッド人類学入門』自体が、まるで日本の女性問題を主テーマにしているような書き方になっている。この本で読者が日本の女性問題を把握したと思うときに、トッド氏入門が果たせただろうというわけだ。今日は、この『トッド人類学入門』のはじめに述べられている、日本人が人類学的にはそのタイプのもとにあるという「直系家族」の説明を、とくに引用させていただいて、問題提起の正確を期そう。「直系家族は、父系制への発展の第一段階に相当します。長男を特別視して家督を譲っていく縦型のシステムです。/前世代の獲得物を次世代に効率よく継承できるのが、このシステムの強みです。知識や技術や資産の伝承に長けていて、今日の日本、韓国、ドイツ、北欧のように、総じて教育水準が高いという特徴があります。/歴史的には、メソポタミア、エジプト、中国という当時の先進社会で、知的・物理的資本の蓄積が始まると同時に、長子相続という継承ルールが確立しました。ちなみに社会において老人が権力を持ち始めたのも、資本の蓄積が可能になったからです。/女性の地位については、このシステムでは、核家族より低下しますが、大きく低下するわけではありません。特権化されるのは長男だけで、他の息子たちは娘と同じように処遇されるからです。共同体家族のように、男女がはっきり区別されるわけではないのです。/直系家族社会は、『知識や技術や資本の蓄積』を容易にし、『加速の原則』という強みをもっていますが、他方で、過剰に完璧になると硬直化するという弱みがあります。『キャッチアップ』は得意でも『創造的破壊』は不得手なのです。『老人支配』を招きやすいのも弱点です。」『トッド人類史入門』(27-28頁) *「資産が家族的に伝承される」ほどに「資産」が蓄積されるには、農耕時代に入ってかなりの年数、何百年から何千年という年数、があったろうということを、付記しておきます。特別に重要な論点ですから。
2025-10-21 10:50:00
『トッド氏人類学入門』「Ⅰ 日本から家族が消滅する日」によって、「核家族」をまず説明する。これは現代では主として英米仏に当てはまるとしている。英国の場合がもっとも「純粋」。「親子関係が自由で、兄弟間の平等に無関心」(19頁)とあれば、個人主義的で、自由主義的特徴が強いのである。イギリス型を絶対的核家族と称している。フランスの場合は、子供が結婚後独立した世帯をもつのはイギリスと同様だが、相続が子供たちの間で男女の差別なく平等であると、「平等」という性質が強い。それで「平等主義的核家族」(19頁)と称している。「一組の夫婦が中心となる核家族の出現によって個人主義という家族的特性を帯びる」のは、決して近代固有の論理ではなく、実は太古の時代にそうであった(20頁)と言っている。少々長いが、「原始、自由であった」様子を引用しよう。(23頁)
「ホモ・サピエンスが核家族を形成して狩猟採集民として暮らしていた頃の男女関係は、かなり自由でした。若干男性の方が支配的で、男性は狩猟、女性は採集(つまり農業)という性的分業もありましたが、男女間に相互補完的な平等が存在していたのです。当時の人類にとって最大の課題は、厳しい自然環境のなかでの生き残りで、夫と妻の連帯なしには生き延びることができなかったのです。/ そして原初の『核家族』は、プラグマティックな『柔軟性』も備えていました。必要に応じて、若い夫婦が両親と一時的に同居したり、独りになった老人を彼らの子供たちが引き取ったり、ただし食糧が不足する場合にはその老人たちを切り捨てたり、同じ理由で子殺しも行われました。一夫一婦制を基本としながら、事情により、一夫多妻、一妻多夫、離婚、同性愛も許容されていました。」