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2016-11-23 10:35:00
過疎地ロシア極東の経済共同開発は、もともとロシア共和国一国の手に余るものである。そもそも、それだけの人口密度すらない。正直のところ、「国家」の存在が経済発展の邪魔になっている。もしこの地が「アジア・太平洋」諸国、諸民族、諸個人の自由開発地であれば、問題なく発展する。★しかし現実には「国家」というしがらみがある。★日ロの極東開発は、日本もまた「北方圏」(北海道のことだ)という(日本全体から見れば)過疎地を抱えているから、多少のニュアンスの差はあっても、重要事項である。極東ロシア、わが北海道、どちらも、そこで開発した資源を中央にもたらすことだけを眼目にした政策が従来施行されてきた。この構図の場合、「資源発展はあっても、その地の過疎の現実は変わらない」。★「シベリア鉄道線の開拓発展」など、極東の過疎を解決するものではない。★まず極東に必要なのは、北海道、サハリン、沿海州、地元の鉄道交通網の確立である。それに合わせて、鉄道ゲージを北海道-サハリン-沿海州と統一し、北海道-サハリン-沿海州を鉄橋や鉄道連絡船でつないで、地域経済の共同発展を考えてもよかろう。この地域はエネルギー事情がよく、立地に優れる平野だから、いずれ工業や農業が起こり、多くの人口を吸引するであろう。★そのような極東発展構想は、日ロ国交回復後の第一課題として行ったらよかろう。これをウインウインというのだ。★その間、いま廃線にされようとしている北海道の鉄道網の廃線が待てないかね。極東アジア発展の為に、どれも大切な線だと思うんだがね。★私は遠慮してこれ以上の絵をかかないが、この「極東」は、絵の描きようでは素晴らしい経済力をもつ場所に変わるよ。
2016-11-23 10:03:00
2016年11月23日・水曜日 日ロ交渉解決の構図は、私には次のように感じられる。★日本の目から見て、これは、一方に「日ロ経済協力」他方に「日本の北方領土回復促進」という構図であることは、日本人には異論はあるまい。★「北方領土回復」については、今回成るのは、「2島が戻るが、他の2島については懸案」という「声なき声」が日本中に流れている。いわゆる「2島+アルファ」であると。★その「アルファ」は「国後、択捉」に「共同開発」を定めるが、その共同開発の内容は主に水産資源保護と日本の漁業権容認であると。★日本に戻る「歯舞、色丹」については、「日本は非武装地帯」と宣言するとしても、この「宣言」の趣旨についてロシアは警戒を解いていない。そこでことさらに「国後、択捉」の軍備をロシアが強化していると読む。★いまの日ロ経済協力は「日本の8項目提案」を中心に協議されてきたが、ロシアが力を入れている重大な案件がまだうやむやになっている。★そのうやむやになっている案件とは、「電力線」を引いて「ロシアのシベリア・極東の電力を日本が買う構想」と「ガス管」を引いて「サハリンの天然ガスを日本が買う構想」である。★前者、電力網構想については、すでにブログに大量の記事がのっているように、孫正義社長の手でプロジェクトがはっきりしている。これを日本が了解するかどうかというだけのことだ。後者については誰かかが何かを具体化しているのかどうか、それは知らない。★しかしともにロシアから見れば「画期的事項」で、領土問題に実質的に関わる事項だ。★難航しているというのは、この両件の処理について日本の政治家と大企業の内部で「決がついていない」のであろう。★この件の色の付けようによって日ロ国交はこの12-1月に決まるかどうかが分かれるのであろう。私は安倍首相はなんらかの色の付け方をして、自分と自民党の為に決着するだろうと思っている。★なにしろ極めて情報が不完全なところでの推測なので、これが当たっている方がめっけものだろう。
2016-11-22 22:07:00
2016年11月21日に配信されている「孫正義は世界を救う」という記事によれば、「水力発電と日ロ間の送電網敷設のコストを合わせて、1kwh 4セント(約4円)で電力供給を目指す」この価格は日本国内の発電コストの約5分の1にあたる。送電ルートはサハリン経由案と、ウラジオ経由柏崎案と2つあるようだ。★ここでいう電力は、サハリンでつくられ
るものではなく、ロシアのシベリア・極東地域の水力発電所からのもののようで、こう書いてある。「ロシアのシベリア・極東地域にはサヤノシュシエンスカヤ水力発電所672万キロワット時をはじめ5箇所の水力発電所があり、新たに3か所で建設が計画されている。発電コストは1キロワット時2セント(約2円)で、日本の平均発電コスト(約25円)の10分の1以下」★こういう国際電力網を2020年6月の東京オリンピック直前までに作りたい、というのである。★
こうなると、今回の日ロ外交交渉が妥結しようがすまいが、このような国際電力網がロシアから中国や韓国やモンゴルに伸びるのは、受け入れ国側がエネルギーにひっ迫していればいるほど、当然のこととなろう。むろん日本が参加すれば地理的にも非常に円滑である。(たとえば、九州まですでに送電網が来ていれば、九州から海底を釜山へ渡せばよろしい。以前は釜山から九州へ電気を買う話をしていた)
★おそらく詳しいリポートやデータが存在するのだろうから、そういうものを探して参考にされたい。
2016-11-22 20:52:00
ここに今更ながら難しい問題が浮上している。極東ロシアの経済開発は日本だけが行う案件なのか、それとも中国や韓国や(その他の諸国も)行う案件なのかという点である。このまったくわかりきった論点が今頃「最大の問題」として浮上するところに不思議なところがある。★当然ながらロシアが了解しさえすれば、どの国の事業体がそういう経済開発を行ってもおかしくない。「日本だけがロシアの経済開発を行うものだ」と決めるものでもなかろう。開発にメリットがある企業なり事業体が行うだけのことだ。★それが今度の「8項目」云々などは、単なる経済開発ではなくて一種のОDAとして行おうとするものであろう。「それなのに」いろいろ内容が膨らんでくるのは、「ロシアが引き換えに日本に特殊な権益なり優先権なりを与える」見返りということで、この「見返り」の中に「領土問題」が含まれるという了解で行うという、「勧進帳的わかりにくさ」である。★ほんとうに日本の期待する「権益」は、「領土」だけか。そもそもその「領土」にそれほどの経済的価値があるものなのか。漁業を除けば北方領土は過疎地に過ぎないのではなかろうか。★「領土」以外の権益は全然考えていないというように、日本の政策は極端なものなのかもしれない。★戦後70年。事柄はわかりにくいうえに一層分かりにくくなってきたが、しかし極東ロシアを取り巻く日本、中国、韓国、朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)、ロシア共和国。それぞれの政治的、経済的、国勢は、(急いで米国も加えよう)70年前と現在ではまったく違っているはずだ。★このたいへんわかりにくい世の中を「秘密外交」と「交渉の結果のみを提示」する仕方で乗り切れるものなら、奇跡であろう。それにしてもいま私たちはその奇跡に賭けるしかなさそうだ。★ただ、私は、今の日本には、もう書店にロシア語の入門書も簡単な地図すら置いていない有様になっている・日本の民心は現時点でロシアというものに対する興味をすっかり失っている・とはっきり申し上げておく。(それともロシアの民心は熱烈に日本びいきなのかね。私は知りようがないが)この2か月ほど先に日ロ国交が劇的に回復するのではないかという政治的期待がいま日本で醸成されているが、もし2か月後に何もなかった場合には、日本人がロシアに興味を持つ日は何十年も先になるのではなかろうか。
2016-11-22 20:19:00
2016年11月22日・火曜日 「孫正義氏、空前のプロジェクト」という既報は、いま日ロ両国で進行中と伝えられる「日ロ間領土問題」に、本来当然に予想されたところではあるが、日本のマスコミには最近全然現れていなかった「独特の視点」を示唆していることになる。★日ロ国交回復・極東ロシアの経済開発・日ロ領土問題解決という、目下日ロで懸案にしていることは、大所高所からいえば極東ロシアに近接する中国、韓国、も交えた国際関係の中に存在するわけである。★単純に日韓中が共同してかかわるロシア極東開発として考えると、経済発展中の中国の勢いが大きく、ロシアも日本も「中國に食われてしまうのではないか」という恐怖心が先に立つ。だから日ロは中国を入れないで考えようとする。(しかし事柄の温度差は単純なものではあるまい。)韓国が極東ロシア開発に「つんぼ桟敷」に置かれていることへの反感は、ネットの世界でも韓国から盛んに噴き出しているではないか。★ともかく日本は、中國と韓国をまったく関わりのないものとして脇に置いて日ロ交渉しているが、ロシアの態度は日本と同じではなかろう。★ソフトバンク社長は、日本出身の多国籍企業ではあるが、民族的には韓国に親しい。孫氏が中國・韓国・日本の「協調」を構想するのは少しも変ではない。★私の言わんとすること。日ロ国交回復・極東ロシアの経済開発・日ロ領土問題解決といういまの問題は、もともと中国と韓国と(なんなら朝鮮民主主義共和国もだが)が政治的・経済的にどうかかわるのかという問題点をまったく除外して考えられていたわけで、思うに日本はずいぶん極端な発想をしていたものだ。孫氏の発想はそこへ切り込んでいる。