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2022-07-10 22:43:00

安倍元首相が奈良市で暗殺された。この寝耳に水の出来事で、その当日のテレビは昼頃から、起こった出来事をわかった順に次々と報道していた。/山上容疑者が奈良県警の取り調べの下に入ったときにすぐ明らかになったことがあると思う。それは山上容疑者が「事件動機」として、彼の家族が「某団体」に「被害」をこうむっていたことへの「恨み」を、述べていたであろうから。この「某団体」とは、「統一教会」、今の名が「世界平和統一家庭連合」であるということ。当時参議院選挙期間である。おそらくは奈良県警は、選挙期間のいまこの名を示すことは、現在の政権政党に対して非常な困惑を与えるであろうと「忖度」して、たんに「某団体」とぼかし、なにやら得体のしれない話にしてしまった。大手マスコミ各社も(知ってか知らずにか)同様「某団体」とした。こうして容疑者側のはっきりした言い立てがまったくぼけてしまうと、容疑者が20年ほど以前に数年間海上自衛官であった(だから間違いなく銃器の扱いを知っている人間だ)という「容疑者の経歴」がまさにこれひとつ大きくクローズアップされることとなった。この大事件は、「警備の不始末」をいずれ厳しく問われる日が来るであろうが、しかし奈良県警は「忖度」によって突然政権政党に迷惑がかかるのを「未然に防いだ」(少なくとも選挙期間中は)「功績」を政権政党側は無視できまい。/「統一教会」という件は、すでに7月9日、文春や朝日やその他の配信記事と、その記事につけられた膨大なツイートによって明らかになった。こういうツイートを全部読むのには数時間かかるが、そのなかにおのずと浮かび上がってきている「構図」が、選挙期間中は問題にされえなかった話題である。まー今になれば「捜査関係者」もなにか、いろいろ、話を漏らしているであろう。マスコミが奈良市のこの狭い一角に調査を集中すれば、捜査関係者がなにも言わなくとも現地からさまざまなリアルニュースが出てくるし、こういう配信記事に「つけられた」膨大なツイート記事がとめどもなく詳細に「構図」に迫ってゆくであろう。

2022-07-04 16:50:00

昨日は管理物件で、火災警報器の誤作動があった。あまりの暑さに、空室の端子が誤作動して、火災警報器が鳴る。その物件の中に会社が一つ入っているので、平日であれば「警報機を止める」人手もありうるが、たまたま昨日は日曜で、会社が休みだった。知らせを聞いて当方から出動し、音を止めた。誤作動が生じたのは12-1時頃。夕方4時にもう一度現地に行って、音が出るようにした。今日の午前中は大変な暑さだったから、また作動が起こるかと身構えていたが、12時頃から曇ってきたので、懸念は去った。*これはたいへんややこしい案件で、誤作動を最初に知らせてきたのは、隣家の住人である。消防や警察が現地に集まって一時混雑したようだ。当方は30分ぐらい離れた場所から現地に急行した。北海道もやはり夏である。

2022-07-02 09:01:00

7月になった。*テレビで本州の各地高気温(昔は多治見ぐらいのものだった超高気温が数か所に増えた)、各地でダムの異常渇水(数日前に北海道に降った大雨は、元来西日本にでもふればよかった)、本州の電力ひっ迫(クーラーに使うんだ)、を報じている。いまや本州が「熱帯化」、北海道が「温帯化」の趨勢が、真剣に国内気候シフトとして対応するときになったのではあるまいか。*参議院選が7月10日と迫った。候補者たちの政策を列挙した「広報」が届いた。なにかもうひとつ気が乗らない。いまウクライナ危機を切り口に世界政治情勢が激動しているが、国政に携わろうという候補者たちにはこの世界情勢についてはどんな見識があるのだろうか。*今回のNATO総会で、十年前の「定番」であった「ロシアを戦略パートナー国とする」ありようをNATOは正式に取り消すことになった。この件は、この欄で、6月15日「キッシンジャー」という文で、10年以上前にキッシンジャー氏が米国の外交政策について批判していた「対ロ外交」のありようを、米欧外交がいま正式に追認したということであろう。そしてまー、今現前にあるのは、NATOに「結集する」米欧日と、ブリックス新興国とが対立するという姿だ。候補者たちのご意見を聞きたいものだ。

2022-06-24 18:07:00

連邦準備銀行がいくら金利を上げたからと言って、いま高値を付けているエネルギーの値段も食料品の値段も下がるわけではあるまい。米国経済を批評したアナウンス。私はこう聞いて、直観的に感じた。今や以前に言う「ブリックス」(ブラジルやインドや中国やロシアや)の経済と米欧日の経済が対極をなしてしまって互いにそっぽを向いている気味があるので、米欧世界の「金利上げによるインフレ抑制」という狙いが空を切ってしまう。米欧日の対ロシア金融制裁も、ロシアがルーブル支払いに結び付けたエネルギー販売策でルーブルが戻してしまうと、期待された迫力を失ってしまった。*ところで十数年前のリーマンショックのさい、「今後の世界経済の立ち直りのためには、新興諸国の発展による世界経済への寄与を特に期待する」というような空気があったことを思い出した。そうするとウクライナ危機が存続する今後は、米日欧経済とブリックス経済が違和感を持った状態で進むことになるが。この「出口」はどういうことになるのか。「グローバル経済」とかはどこへ行くのか。

2022-06-22 11:32:00

D・デイラード『J‣М・ケインズの経済学』東洋経済新報社、1973年/1989年。これはたいへんわかりやすく「ケインズ経済学」を説明していて、ためになりそうだ。もっとも、「わかりやすい」というのは相対的な言い方で、なおかつ読み進むのには努力がいる。たった200円で入手。そして、岩田規久男『日銀日記』筑摩書房、2018年。日本銀行副総裁として「異次元緩和」「2パーセントのインフレ・ターゲット」政策を黒田総裁を補佐して励行してきた人で、かつ、教育者として「正確にわかりやすく」教える立場の人だったから、じつに綿密に「事態」を説いている。この問題についての得難い解説書であろうと感じた。むろん「わかりやすい」というのは、努力しないで読み進められるということではない。こちらは、ブックオフとしては「異例」に高い700円で買ったが、これに匹敵する本は少なかろう。*ただ、あえて言っておくが、この岩田氏の立場はいってみれば江戸時代の朱子学の正しさだ。現在の社会を資本主義社会として維持・存続するのがこの議論の大前提で、そういうなら、じつにケインズ経済学の「正しさ」も同様だ、しかり、岩田氏が説く議論はケインズ経済学を当然の下敷きにしている。(むろん一般理論そのままということはない)だから、ここに陽明学的態度が現れれば、それとは直には対応するものではない。*もし資本主義の構えの中に重要な変化が加わったらどうなる。もし宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書、2000/2021年、(この本は定価で買った)のような公共性を資本主義に強く付与したらどうなる。さて、小坂直人『経済学にとって公共性とはなにか』日本経済評論社、2013、に人々は「公共性」をどう考えいるのかと問うなら、(この本は220円で入手)第1章から第3章まで、たいへんバラエティに富んだ(とうてい一筋縄ではない)意味で今の社会がこれを語っているのを発見する。「このようにいろいろな意味がある」ことを提示されたこと自体が素晴らしい手柄だとおもう。なんとかなり多くの人々が、企業が存続していることそのこと自体を「公共性」だと思っているようなのだ。*ケインズは古典派経済学批判を行ったが、古典派はいうなれば「小生産者社会」を想定しているがゆえに、「社会主義的なもの」も社会の中に想定しうるという「ゆるさ」がある。しかしケインズにはそういう「ゆるさ」はない。私が「現代の朱子学」とあだ名するゆえんである。*さてそれにしても、どの派でもよろしい、気候変動をどう処理するのか。*参議院選が今日公示されたので、しばらく言論に制限を受けることになろう。