インフォメーション

2016-05-08 23:50:00

前回、私は「夢の日ロ友好案」を書いたが、どうしてこういう具合に考えたのかの説明だけしておきたい。

1. まず「千島列島を日ロ共同主権地とする」という提案だ。千島列島というのは、北方4島は我が国固有の領土(いわゆる南千島)とし、その北にあってカムチャツカにいたる島々である。この「千島列島」をわが国は、1875年に、日ロ混住中であったサハリンを放棄し、その代わりに今言った千島列島を日本領とする「千島樺太交換条約」をロシアと結んだ。これは平和裏に結ばれた国際条約だったのだから、いま北方4島とそれより以北の千島列島を合わせて、日ロ共同主権とすることには、それなりの歴史的曰くがある。しかしこの地域の共同主権は、アメリカ、カナダ、その他太平洋諸国へのきがねがあるから、非武装地帯とすることをかんがえるのである。

2. シベリア開発長期計画は、ロシアの生命線である。ロシアはウクライナ、ポーランド、バルト3国方面が逼塞していて、西方がすっかり行き詰まり、オデッサ・セバストポーリすら怪しい。プーチン自身、ロシアが太平洋側に第2の首都を構え、太平洋側で発展するしかないと考えている。しかしシベリアのロシア人口はかえって往時より減っている始末である。資本、技術、人口、どれをとってもロシア一国ではとうてい比較的に短い年月でシベリアを開発することは不可能である。さりとてロシアは、まったく中国に依存することも警戒している。相当の譲歩をして日本の援助を引き出すのは、ロシアの明瞭な狙いであろう。資本、技術を日本に依存し、開発人口をはるかに環太平洋諸国に期待すればよい。そうすればいずれウラジボストーク方面の開発を中国・韓国に依存するさいに、ロシアは過度に中国に依存しないで済む。

シベリア鉄道線について、また、北海道‐サハリン‐シベリア線について、の日本への協力依頼は、すでに過去に話題に上ったことがある。昔稚内からサハリンに連絡船による鉄道連絡を行なっていたのだ。北海道-サハリン-シベリア線は、さしあたり海底トンネルがなくても可能である。それにしても、新幹線を早く稚内へ伸ばしてもらわなくっちゃ。東京発モスクワ行きが可能になる。世界一長い鉄道路線だな。むろん鹿児島発ぺテルスブルク行きでもかまわない。

しかし千島列島共同主権というのは、北極圏航路を通って欧州からの最短距離で便船がアジアにやってくる入り口が千島列島だということを念頭に置いている。だからカムチャッカ-ハバロフスク線も新たにかんがえるわけだ。(大昔、米国のハリマン氏が、カムチャツカから東三省へ向う鉄道を構想したことがある。今でもアラスカ-カムチャッカ間で気球の実験など行なったりしている。この辺のラインは米国、カナダの国益と交錯する。)

3. ロシアがハバロフスク、ウラジボストーク、のどちらを新首都と構想するかは、ロシア次第だろう。とにかくロシア自身がそういうことを考えている。

4. 札幌第2首都案は、不思議でもなんでもない、昔からあった案である。その場合、札幌市円山の北海道神宮を全域皇居として天皇の遷座を請い、合わせて東京の宮城を撤廃すれば、ゆうに世田谷区以上の広さの宮城跡地が、東京都の新都市計画の中で生きることになろう。宮城のために東京都がどれほど苦労しているか計り知れない。そしてもともと広大な皇室御料地が北海道には存在していた・現在内閣が所管しうる立場にあるはずだ。

こういう「日ロ友好元年」はどうですか。もともと北海道庁にはロシア共和国との間で永年にわたる外交と経済協力の歴史があった。この日ロ友好元年と同時に、北海道庁は地方自治体ながらロシア問題では政府に次ぐ政治的行政的主体となろう。それだけのノウハウと人脈を北海道庁が持っているのである。ロシア共和国との間に。

まあ、夢ですよ、夢。こういう夢が実れば、札幌の石狩湾新港は、小樽港ともどもたいへん有力な港になるし、留萌港、増毛港も息を吹返し、いま廃線になろうとしている増毛-留萌が生き返るだろう。

 

 

 

 

2016-05-07 23:18:00

5月7日土曜日の北海道新聞夕刊に、安倍首相がロシアのソチでプーチン大統領と会談している模様が報道された。両者の主張はすっかり行き詰まっているが、しかし両者とも日ロに友好的協定が出来上がることについては、正直のところ非常に当てにしている。ことほど左様に、両者を支える国内事情が「弱い」のだ。うまい協定ができれば、両者ともノーベル平和賞ものだろう。

私はここに「まったくの空想」として、いま日ロが思い切って結ぶべき「未来志向」で「グローバル」で、2018年が「日ロ友好元年」になりそうな案を書いてみる。

言っておくが、まったくの私の空想案だ。

1. 千島列島を日ロ共同主権地とする。同時に「平和宣言」を発して千島列島を非武装地域とする。もちろん日ロ共同の警察力は維持する。

2. シベリア開発長期計画を作り、日本が相当の経済協力をする。

たとえば、 -1 北極圏航路の開発。 -2 日本(北海道)-サハリン-シベリアを鉄道で結ぶ。 -3 ハバロフスク-カムチャッカを鉄道で結ぶ。

-4 ハバロフスク-モスクワに新幹線鉄道を設置する。 

3. ロシアはハバロフスクを東方の新首都とする。 

4. 日本は札幌を第2首都とし、新幹線を10年以内に稚内に延伸する。

5. 2018年を日ロ友好同盟の元年とする。

なにしろこの地区は、地球に残った数少ない「開発適地」である。

 

2016-05-05 22:58:00

5月連休ももうおしまい。今年の夏季がこれから始まろうとしています。

賃貸条件を徹底して絞り込んだ「シンプル・ライフ・プラン」について、いま本州のお客さんを1人、受け入れたところです。

その方は、1人で、7月から9月まで3ヶ月、8.5畳の洋室を、シンプル・ライフ・プランで借りたいということです。

身元保証人なし(連絡人だけ届ける)、敷金礼金なし。定期借家権契約による。

部屋代1万5000円(1か月)。共益費と水道代、あわせて5000円(1か月)。これだけが大家に入れる金額です。

電気は使うとのことで、北電との契約になります。(いくらかかるかなー。普通の独身者なら月2000円ぐらいのものだが。)

プロパンは使わない。銭湯に行くし、コインランドリーに行くかもしれない。車は使わない。

オーナーは、カーテンと4.5畳の大きさの敷布をサービスすることにしました。

布団一式、ご本人が買ってくるそうです。

あとは、日時を打ち合わせて、アイラント゛コーポでお会いし、そこで契約するだけです。

じつは「シンプル・ライフ・プラン」に書いたのと違うことをその人に提示してしまった。

「共益費プラス水道代」で月に5000円としてしまった。もともとこれは、来る人がシェアルームすることまで考えていたので、ご本人が1人としておられるのなら、5000円でよい。今後もこの条件を有効とします。ただ、シェアルームする人からはもっといただくことにします。たぶん10000円を請求します。

あと、写真つきの身分証(たとえば運転免許証)のご提示を求めます。

これから本州は梅雨(6月)の季節に入り、例によって酷暑の7‐8月を迎えます。この程度のご負担で3ヶ月を過ごすシンプル・ライフをご希望なら、どうぞお申し込みになってください。そのお申し込みは、かならず、「お問い合わせ」の形式でお願いします。そうするとこのシステムの管理者グーペは、その「お問い合わせ」を即刻私どものほうへ通知してきます。そこで私どものほうから、あなたのアドレス宛に返信します。ホテルではありませんから、何月何日宿泊のような予約は出来ないのです。まずはご事情を書いて「問い合わせ」て下さい。

地下鉄中の島駅に徒歩10分程度の立地ですから、長い間暮らされても生活上のご不自由はありませんよ。

 

 

2016-05-03 11:47:00

今日は憲法記念日。今日の北海道新聞の紙面がたいへん「しゃっきり」としていたので、感想を述べる。

今日の大きな話題は、ひとつは日本国憲法。もうひとつは、北海道観光の大勢。

「改憲論加速 是非は」(1ページ)、「改憲問う参院選 岐路に立つ9条」(8-9ページ)。政府・自民党が日本国憲法をなぜ、どのように変えたいと考えているのかが、よく分かるように特集されていて、読み応えがあった。この紙面を保存しておき、今後いろいろな政局が起こる都度、この改憲問題を根本から考えてみたいと思う。道新社説「上からの改憲は認めぬ」(3ページ)。たいへん説得的である。

ところで過去3年間、自民党政府独自の経済政策の結果、日本経済が劇的な改善をみせた(すくなくとも株価は急上昇した)ものと思われ、その「余勢」を駆って念願の憲法改正に臨むものと自他共に思われていたのであったが、その「自民党独自の経済政策」の現実的中心をなしたものは、安倍首相の決断と日銀黒田新総裁の果断が連動した超金融緩和政策によって起こった「円安・株価高」であろう。

しかし、最近数ヶ月の天下の様相は、この「アベノミクス」をすっかり色あせさせてしまった。北海道新聞1ページに出ている「東証続落」の記事がその一端を示している。この後始末はどうなるのか。前代未聞の後始末になるやもしれない。

「新千歳参入、・増便9社検討」(1ページ)、「新千歳 観光戦略の柱に」(3ページ)。北海道観光発展の見通しだ。しかし「円の急落」が重要な原因になって大量に来日した観光客なら、もし「円の急騰」をみればたちまち激減するやもしれない。それに日本全国で見れば、北海道は、決して外国人観光客が溢れかえるほどの場所ではない。何事も程ほどに見ることだ。

 

 

2016-04-13 09:00:00

4月中旬。札幌に小雪が舞って温度もぐんと下がったが、それはほんの1‐2日のこと、また10度程度の普通の気温に戻りつつある。本州では桜が散り掛かっているというのにね。それでも北国の春が来ているのには間違いない。

「ポスト工業社会」の「知価社会」が到来している、という話題を展開していた。その「知価社会」の特徴を強く帯びている「2008年リーマン金融恐慌」の陰に、世界がいま怯えてもいる。ポスト「リーマン恐慌」がどんなことになるのか、誰にも分からないのだ。

私は堺屋太一氏の「知価社会」時代という把握に強く共感する。同時に、私は、堺屋氏どおりではない。どの点で私が堺屋氏どおりではないのかは、いままで私が書いてきたことを丁寧に読めば、容易に分かるはずだ。

私は「20世紀資本主義」は、「国家資本主義」と総括していい時代だったと考える。経済恐慌が繰り返して現れることに経済社会が耐え難いので、国家が経済過程に干渉して「経済恐慌のない経済」を築こうとする時代だ。根本的なところで国家が経済過程を指導しようという時代である。堺屋がいう「官僚統制社会」である。

この20世紀の「国家資本主義」は、経済過程の基本単位に私的営利事業として経営される株式会社制度を据える事になった。もちろん国家が基本的には経済過程を指導するという前提の下において、である。私たちが今日「あたりまえ」のようにみなしている私的な営利事業としての株式会社制度は、歴史的存在であり、決して当たり前のものではない。

国家そのものも、20世紀には単純に自然国家・民族国家を当然とはできなくなっている。まずアメリカ合衆国が、近代が生んだ人工国家である(合衆国憲法は、国家成り立ちの契約のようなものだ)。20世紀は米ソ対立の冷戦に彩られたが、ソ連邦は紛れもなく人工国家である。そして20世紀後半にはEUという壮大な人工国家が誕生する。ファシズムドイツは人工国家だろうか、それとも純然たる民族国家だろうか。中華人民共和国は人工国家だろうか、それとも中華民族国家だろうか。わが日本は純然たる民族国家だろうか。(まー米国やソ連やEUと比較するのなら、英国同様に民族国家・自然国家だと考えていいとおもうが。)同じく経済過程を国家が「指導する」といっても、民族国家と人工国家では、議論のありようが随分違ってくる。多くの人工国家は同時に多民族国家であり、移民の受け入れについて独自の寛大な政策を取っている。その人工国家の成立そのものが、濃厚な国際性を帯びている。このような人工国家を、日本のような純然たる民族国家と同一視はしにくい。これに比べると日本のような国は、その成り立ちからしてぜんぜん国際性がないのである。

20世紀の「国家資本主義」という場合、主体になっている「国家」が、世界史的には人工国家優位になっていることは、認識せざるをえない。

それに最近は、中東に「国家なき国家」すら登場した。いろいろな意味で近年、単一民族国家の国家性がますます希薄になりつつある世界情勢である。

堺屋の図式に倣えば、20世紀の「国家資本主義」が1980年代から変質を始め、2000年ごろに「知価社会」として成立したということになる。

今の世界の様相をみていると、あるいは遠からぬ将来に経済社会は、巨大な「リーマン流金融恐慌」の再来によって崩壊してしまうことがあるかもしれない。

その場合、この「知価社会」なるものの中核にあいも変わらず「国家資本主義」時代の私的営利に奉仕する事業制度としての株式会社制度が存在していることに、強い関心を払って置いていただきたいのである。(せめて奥村 宏先生の法人資本主義批判ぐらいでも、念頭においていただきたい。)崩壊した社会を立て直すさいに、無条件でいまの株式会社制度で考えることは不当だと思いますよ。その前提として、現実の株式会社のありようを、ふだん丁寧に吟味してみる必要があります。これが果たして経済社会の根幹たりうる制度なのかという問題意識で。

この「知価社会」論。もっと丁寧に議論する必要があります。

いったんこの程度で止めておきたい。