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2022-11-04 20:52:00
どの国、どの民族でも、言葉にかかわる歴史的構造がある。こういう特殊構造をその国の知識階級は知っているが、外国人がある国の言葉を観察するときには、容易にはうかがい知ることができないものである。日本語には、古代以来のやまとことばという言葉の層の存在が知られているが、例えば英語の場合にも、英語を学んでゆくうちに、この「英語のやまとことば」とでもいう層の存在に触れることになる。そして、その「英語のやまとことば」と「現代英語」のかかわり方の問題。ここで「英語のやまとことば」という表現をとったのは、それを指す適当な呼称がなかなか見つからないからである。たとえばイギリス英語について、なにが「イギリス英語のやまとことば」かといえば、ヨーロッパ大陸の人間が大挙英国にやつてくる(たいていが支配者としてやつてくる)以前の「土着」の英国民というと、「アングロ族」「サクソン族」とでもいうしかない。かといって「アングロ語」「サクソン語」そのものが「英国のやまとことば」かというと、なかなかそうとも言えない。実は私は米国で英語を学習している際に、英語教師からそういう「感覚」を伝えられた。その人は、「つづり字5字とそれ以内の長さのつづり字の単語を重視するように」と「つづり字の長さ」で伝えてきた。私はこれをさしあたりイデオムの動詞側ととらえ、次いでこの「短い単語」をもうすこし広く考えるようになっていった。こういう感覚の英語教育は、日本ではいままであまりやらなかったのではなかろうか。
2022-11-04 20:09:00
漢和辞典にもかなり特徴が違うものがあるので、ここに書くことが別に標準と主張しているわけではない。ただ、先ほど来の「部首をマークする」ことが大事だという関りで、言うが、もう一冊、示しておきたい。三省堂『全訳漢辞海』2006年である。この辞典は、本書は「古漢語を読解するために、漢字を通じて学習する辞典である」としている。先に挙げた『漢字典』と一脈通じるものがある。だから、この書も、参考書と考えたい。現代中国音にも通じる音を示している。実は私、若い時、歴史的中国を論ずる書物の中で、文章中あらわれる事物に発音を示しておきたかったので、手元の辞典により、ウェード式の発音を併記した。戦中戦前ならともかく、戦後の著述にこんなことをした者は、まずおるまい。その心は、書いたことを日本人だけではなく、中国民族の人にも読んで知ってもらいたかった。私らの書くもの、考えること、自然にアジア的広がりを持つていることが多い。/いわんや、古漢語とでもいう文明的世界は、中国、中国周辺国、日本、朝鮮と、かなりよく分かった広がりを持っている。現代になれば、それぞれの民族が華僑のような大量の海外人口を持っている。いつの日か、この広がりが、お互いがよりかかる場になるやもしれない。また、旺文社が『漢字典』より以前に発行していた旺文社『漢和辞典』1988年というのがある。これも過去に入手して私蔵印が押してある。方針はやや違っても、これも便利な辞典なので愛用している。この『旺文社漢和辞典』は、装丁や紙質や大きさや厚さが、大変取り扱いやすいので、感心して愛用している。
2022-11-04 19:20:00
わたしは、この目的に、旺文社『漢字典第二版』2008年を使っている。この字典は、部首を非常に重大視している。部首による検索を主眼としている場合、ぴったりの気分だ。「編者のことば」からいくらか引用しよう。「現代の国語で用いられる語彙の大半は漢字語である。」「もともと漢字で表記すべき語はかな書きにするものではない。現在の国語は、その大部分がもとは漢字で書かれた語に由来するもので、漢字とは切っても切れない関係にある。」/「国語教育は、古典教育に基礎を置くべきものである。日本では『やまとことば』で書かれた古来の和文古典とともに、その大半は中国から輸入されて日本に根付いた、漢文古典が日本の古典として長年にわたり読まれてきたのである。十九世紀の末に至るまで、日本人の主な学習対象はむしろ漢文であった。」/「漢和辞典は、漢字を二百余りの部に分類して、画数順に配列した各文字ごとに、読みと意味および用語を順次に解説する形を基本として組織されている。したがって漢和辞典を用いるには、この組織の下に、どんな文字が二百余りの部首『部の首(はじ)め』になっているかを念頭に置いて画数を数えればよい。初めは練習が必要だが、慣れれば驚くほど速く引ける。愛用してあなた自身の辞書にされるようにお願いする。」/そういう「練習」をここでやっているのです。この本が部首を大事な上に大事にしているゆえんである。なお、さきの電子辞書所収の『新漢語林』も、実にわかりやすい部首解説を行っている。双方の辞典を愛用できるのは、ハッピーだ。まとまった本として普段読むのも、大事なことと思う。
2022-11-04 18:35:00
もっと新しい電子辞書を使って、同様のことを行ってみる。(基本的には変わらないが)EX-word DATAPLUS10 XD-Z9850を使ってみよう。この場合は、大修館書店『新漢語林第二版』を内蔵している。画像があり、色彩がついており、音声も使える。「楷行草筆順字典」対応と銘打っている。さらに、手書き対応漢字JIS第3、第4水準、とある。前回同様「裔」を引こうという場合、引き方に二種類あって、「単漢字を大きな手書き入力から探す」と「単漢字を読み/画数から探す」がある。まず後者で行こう。検索画面左側に、「音訓読み」と「部首読み」、右側に、「部首画数」「部首内画数」「総画数」がある。画面下側は、字を手書きして検索する欄だ。左側「音訓読み」に「エイ」、「部首読み」に「ころも」と入力、検索する(決定を押す)。一発で「衣」という部首が現れるので、現れた「衣」の文字を棒でつつくと、ただちに目的の「裔」が現れる。「裔」を棒でつつくと、親字「裔」の画面が現れる。ここに部首解説、部首は衣部、部首内7画、総画13画、句点7467、字音エイ、現代中国音、字義「解字」等と示される。手書きの場合、字体全部だと、なかなか認識も大変なので、「衣」のほうで入力して、これが「何部」か知り、「ころも」という読み方を知って、前例同様「音訓読み」と「部首の読み」で検索するほうがいいと思う。あるいは、「部首の読み」と「部首内画数」で引いてもよかろう。この辞典は常用漢字の場合、親字の書き順を示し、かつ楷書、行書、草書の字体を示してくれる。またこの電子辞書は、熟語については、国語辞典で呼び出して「読み」の発音を音声を出して聴ける。アクセントなど判断できる。(これはいまのところないものねだりになるかもしれないが、句点7467を入力すれば指定した位置にその漢字が出るようであれば、ワープロの場合申し分ない。むろん画面中でその漢字を指定した場所に引きずってゆけるならなおいいが。)
2022-11-04 16:47:00
いまなんのために、教育漢字の学習をしているかといえば、その端的な目的は、漢字の部首についての知識を得たい、多くの漢字部首に親しみたいからである。文章を書くとき、むろん手で書くときという意味だが、書こうとする文章の中に、書き方がよくわからない漢字があれば、漢字かな交じり文で文章が書けないことになる。もし書こうとする漢字の部首を知っていれば、そしてさらにその漢字の読み仮名を知っていれば、部首と読み仮名ひとつを手掛かりに、電子辞書の場合、目的の漢字(親字)を候補の非常に少ない姿で画面に出すことができる。例えば、私が昔から使っているシャープ、edictionary の内蔵する『学研漢字辞典』を引いてみよう。検索画面は、左側に「部品読み(部首読みということらしい)」入力欄、右側に「音。訓。部首画数。総画数」の入力欄がある。いま私は「末裔」の「裔」の字をひこうとしているとしよう。私は、画面左側にこの漢字の部首として「衣」(ころも)を入力する。そして画面右側の「音」のところに「えい」と入力する。そしてリターンキーを押すと、「裔」が出てきた。