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2025-07-16 13:25:00
今の日本の参院選にみられるように、日本の「内向き」がはっきりしてくると、欧米、とくに米国は国際関係にたいへんに敏感であるから、さっそく「いろいろ考える」に相違ない。/日本の「内向き」が明瞭になると、現実のところ、一番困るのは米国である。米国にとって当てになる「外国」の「同盟国」、とくにアジアの覇権争いで、日本ほど強力で、いざとなれば当てになり、しかも米国の思惑通りに動いてくれる国はまたとない。そのことを米国の国際政治に明るい米国人たちはよく知っている。このまま放置すれば、日本は「独り歩き」の方角を取り、いったんそうなれば米国の手元には二度と戻ってくるまい。/その程度ではない。もっと恐ろしいことに、日本がどこかの国と組んで、その勢力の「前衛軍」として米国のアジア太平洋岸に攻め寄せてくるという悪夢である。(実際そういう事態を夢想する米国人もすくなからずいることを、知る人は知っている。いわゆる「地政学上」の日米激突の宿命というう奴だ。)/過日ワシントン・ポスト紙は、トランプ氏の対日政策を危ぶんで、「日本の安定をこれ以上脅かすな。米国の国益にならぬ」という記事を書いた。/トランプ氏よまだ間に合うぞ。急遽東京に電話して、石破首相に対して、「日本のかけがえのない国際的地位を尊重して、今までの無礼はすべて取り消す。今後よろしくね。」と「公式」書簡を書く手順にすればいいだけだ。それで石破内閣は蘇って多数派となり、日米安保体制はいよいよ固くなるという次第。/選挙中にこんな知恵を「敵国の大統領」につけるのは、選挙違反かしら?案外にトランプ氏は私のネット記事を読んでいるかもしれないよ。現代の宇宙に舞い上がり、反対にナノ以下の微細な世界に沈殿する(レトリックでいっているのではない、本当に言っている)時代に、できないことは少ないのだ。
2025-07-16 12:13:00
私、選挙活動を見ていて、図らずもこう感じた。ひょっとしていま日本は、「内向き」の大多数の日本人と、「外向き」の「選良日本人たち」に、大きく分岐しようとしているのではなかろうかと。選挙に現れる「政治」は、すっかり内向きの日本人の姿である。いわば「鎖国日本」だ。/図らずも感じるには、これまた一大国策かもしれない。偉大なる経済大国、モノづくりの伝統を背負った偉大なる工業大国、経済政策至上の国家、として諸大国と張り合う覇権国の姿で考える限り、泥沼の権謀術策が待っている。反面、もし欧州の「経済力が一流ではない国」たとえば、スペインやイタリアや(ないしはスイスやオランダあたり)を想定するなら、ぐんと「内向き」でよろしい。「豊葦原の瑞穂の国」よろしく、農業・工業国家で持続して、「国民ひとりひとりがなんとか食ってゆける国」をイメージするのも、悪くはない。そして「選良日本人たち」きっとその中には今の政府要員、自民党と公明党の党員、一流の経済人たち、一流の専門家たち、その他の偉い人たちがみな入るだろう・どこかお好みの他国で頑張っていただく。どうせ日本も住みにくくなったし、人口が減った方がやりよかろう。どうですか、このイメージ。/ちなみに私は日本に残らせていただく。教育勅語がそらで言えるのであれば、「政治を考える最低限の生活のゆとり」を保障してくださるのであれば、こんな気楽な国はない。ひとたび海を越えれば、日本のエリートなぞひとたまりもない苦難が待っていると知っているので。
2025-07-16 10:00:00
市場のルールは、政治が決める。そこで政治不在になってしまえば、経済社会は国民の手から離れてしまうことになる。現代は市場に代表される経済社会の施策が前面に在って、経済社会の施策の動きに紛れて、いつの間にか市場のルールが変更される、という事を繰り返している。「市場のルールは政治が決める」ことを、国民が強く念頭に置くべきだ。そういう意味で、市場より、政治が大事、なのである。米国の政治学者、ロバート・ライシュ『最後の資本主義』東洋経済新報社、2016年が、トランプ政権に先立つ米国80年間の政治経済を回顧しての力作の、主要な結論である。/ハンナ女史の「経済社会は二の次にして」国政を人の世の最大関心事とする、という主張では「わかりにくい」人も、このライシュ氏の、現代に即した政見なら、理解できるのではないか。まあ、同じことを言っているのだが。//ライシュ氏は本書でこう説くのだ。世では当たり前のように、「市場が大事か、政府が大事か」という問いかけをする、そして、「規制のない」自由な市場こそが、市場の発展と存続のために大切ではないかという具合に、「規制撤廃」の大合唱をするが、「市場か政府か」は「二律背反」のように言われるのが大きな間違いのもとだと。
2025-07-16 06:43:00
実をいうと、私はいま、ハンナ・アーレントという欧州から米国に帰化した政治思想家のことを書いた本、『全体主義の起源』、『人間の条件』などを手がかりにハンナ女史の思想を理解しようとしていた。動機は、いまトランプ氏が米国に建てた覇権は、「全体主義」に通じるものではないのかという強い疑いを持ったからである。このハンナ女史の議論は難解を極めるもので、何度も同じところを読み返したりしているのだが、現在の日本の政治状況は、ハンナ女史が一番いいたいことにピッタリ符合する。わたしは、ハンナ女史のいいたいことをこうまとめよう。/人の世で、基本的に重要なことは、国政である。国政の主権者とされる国民の一人一人が、政治を考えることができる最低限の生活のゆとりを、経済社会の多くの利害得失を二の次にして、確保されてあるべきである。/どうだろう、わかりやすくすれば、日本人の各人が、しかるべき新聞を購読し、この新聞の少なくとも政治欄をゆっくり読み、家族や知友と政治を語る、というぐらいの生活の自由とゆとりを持つことが、大事ではないか。(たとえとして申し上げたので、強制する気は毛頭ない。それにいま話題の「外国人」のほとんどは、残念ながら日本の新聞を読む力がないものね。)/この「経済社会の多くの利害得失を二の次にして」というところが、現代にあって、特に重要なところだ。そしてハンナ女史の議論が「難解」とされるのも、この論点に関わるからである。
2025-07-16 06:21:00
参政党の躍進予想をはじめとする参院選関係ニュースは、いまかつてなく大量に行われる日本のビッグイベントとなった。国政選挙というものが本来あるべきビッグイベントになったのだから、それが驚きになったという驚きだ。このネットの上では、テレビが連日報じる各党選挙運動の様子を、すかさずネットが引き取ってコメントするという連続動作が連日続いている。そしてスポーツ系新聞のオンライン版の活動が活発で、新聞はたいへん控えめだ・ただ、いざ紙面に載せる段になれば、スポーツ系新聞はなけなしの「社会欄」というスペースしかないから、スポーツ紙の紙面にはそう出てこれない。/それにしても、投票日はまだ数日先なのに、自公議席の激減、立憲の現状維持、諸野党の伸長、とりわけ参政党の中堅野党化、が予想されるほど、明瞭に国政が「動く」と見てよい。「民意」が明瞭だから、自公内閣は退陣し、なんらかの連立政権が模索されよう。/ここで改めて問わねばならないのは、私たちの世の中で何が基本的に重要で、無視することを許さないのかという議論である。つづく(こういう切り口でハンナ・アーレントを紹介するのはまことに時宜と思う。)
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