インフォメーション
2016-10-05 21:18:00
日ロ関係の21世紀(10) 現在、政府から、大した情報の開示がない以上、きわめて根本的な点での、日本としてあるべき認識を、確保すべきである。今回の日ロ交渉の結果、日ロ平和宣言が行われ、日ロ国交が回復することになるのであろう(と仮定する)。日ロ平和宣言にいたるに先立って、「経済交流」の合意があり、「領土問題解決」の合意があるだろう。そのさいに交渉相手であるロシアの現実のありようについて、私はひとつ大きな疑義がある。国会などで論戦するときにもぜひこの点を明瞭にしていただきたい。別に安倍首相の答弁である必要はない。担当大臣の答弁で結構である。★普通の2国の普通の経済取引を想定して伺いたい。★ロシアという国には、現在、国際的支払い能力はあるのか。もしロシアにそれが不足している場合には、日本はどう考えるのか。★ロシアという国には、現在、企業や個人の経済取引を仲介する、現在の国際的信認があるような妥当な機関(銀行、商社等)が存在しているか。もしなければ日本はどう考えるのか。☆それから、ロシアが最近さまざまな国際紛争を起こしていたことと関連して、伺いたい。★今後日ロの経済取引と経済協力が進む場合、その責任者となって現れるロシアの個人、官庁、企業の中に、さまざまな事件の責任を問われて国際的制裁を受けている者が責任者としていたらどうするのか。(とくにそのような人物にどんな名目でも金員を振り込むようなことになるのを懸念するのである。)☆こういう疑問は避けては通れないと思う。いいかげんなところでごたごたした話になるより、最初に日本の建前が明瞭であるかどうかを聞きたいのである。
2016-10-05 16:43:00
日ロ関係の21世紀(9) 北海道の日本海岸諸港は、20世紀後半、発達し切れなかった。留萌港・増毛港など、日本海側から特別の刺激がない限り、漁業の町、水産加工の町で、留萌以北には以前あった鉄道は取り払われ、羽幌町は(以前炭鉱があった)今では夏場に「夕日の美しい町」という掛け声で海水浴客を集める程度である。(もっとも北海道の日本海側の土地は、みな夕日が美しい)はては最近、増毛ー留萌線が廃止されようとしている。石狩湾新港も、そう繁盛しているのではない以上は、発展がそこから横の日本海岸には広がらない。いったい鉄道線を廃止すればやがて追いかけてくるのがその土地の人口減で、いずれその土地の行政的自立が怪しくなろう。そしてずっと南に来て岩内港。私はたまたま何十年か前の「岩内調査報告書」を読んだことがあるが、当時は執筆者は岩内港発展の構図を描きにくく、「岩内港の日本海側への発展」を希求しつつ報告書を結んでいた。当時は岩内から札幌へ働きに出て将来をはかったものだ。★さてそれから幾星霜。泊源発の出現は岩内町のありようをだいぶ変えた。そしてニセコ地区のパウダースノウを外国人が礼賛して大挙来日し、冬場は宿泊客で込み合うようになった。今『北海道新聞』2016年10月3日号28ページの「岩内職安求人倍率道内一」という記事によると、道内平均1.07倍に対して、岩内職安の倍率は2.0倍(ただし観光ニセコ地区の倍率が大きく寄与している)。ところで道内では留萌、紋別、浦河、根室の求人倍率が平均より5割がた高く、共通する理由は(岩内も含めて)、水産加工業の現地での人手不足である。★日ロ経済交流が加われば、日本海側の経済地理は、新しい要素を加えて発達するだろう。★本州の日本海岸だって経済地理が変わる。たとえば、青森県の日本海岸に「むつ鯵ヶ沢港」という(誰も聞いたことがない)立派な港があるが、これの発展する日がみられよう。あるいは、鳥取県米子市に「境港」という昔から聞こえた有名な港があるが、実際にはここに来る便船すらほとんどなく、米子市の政治経済的衰退はこの半世紀に極まって、ついに最近議員割り当て数を半減されるに至った。ここへやってくる人は、ともかく神戸までやってきて、そこから汽車で来るしかないというありさま。戦時中はここで全国から集まった満蒙開拓団員の結成式までやったのに。★経済地理を大急ぎで学びなおされるがよい。
2016-10-05 11:28:00
日ロ関係の21世紀(8) アジアからモスクワに向かうシベリア鉄道線は、現に何系統もありうる。西から数えると、中国からモンゴルに向かう鉄道はモンゴルから北へ進めばシベリア鉄道と連絡する。また、中国の東三省(旧満州)のハルピンから北に進んで、シベリア鉄道線につながる。そしてロシア沿海州ウラジオストークからモスクワへ向かうシベリア鉄道線(大抵の場合、シベリア鉄道というときには、この線を指している)。最後にサハリンの対岸ワニノからモスクワに向かういわゆる「第2シベリア鉄道線」。これは長らく開発中の路線である。★今回ロシア人から出ている「北海道とシベリア鉄道を繋げ」という「アイデア」は、第1シベリア鉄道で言っているのか、それとも日本の努力で「第2シベリア鉄道線」を完備しつつ行えというのか、発言者の意図不明である。取材者もそんなことは取材しなかったのだろう。ただ、ソ連当時のソ連の提案では、たいていが「第2シベリア鉄道線」を想定していたはずだ。★今度10月5日付け、韓国の「中央日報日本語版社説」「ロシアと日本は鉄道で連結するというが」は、「サハリンからウラジオストークに連結する」とみなしたうえで、従来韓国の国是は、釜山から縦に鉄道で北上して北朝鮮(朝鮮民主主義共和国)の位置でウラジオストークにつなぐ、という意向だから、この「北海道とシベリア鉄道を繋ぐという案」は韓国には迷惑この上ないと言っている。★意味論(セマンティックス)という学問があります。この意味論では、いらざる感情が混じるのを防ぐために、国名はその国が唱えるように呼びなさいとしています。「大韓民国」と一方を呼び他方が「北朝鮮」は変でしょう。
2016-10-05 10:54:00
10月5日・水曜日 午前11時、札幌。ヤフーお天気ニュースから伺い知るところでは、台風18号は5日一杯日本海上を猛烈な速さで東進。「石川県か、新潟県か、山形県で」日本列島を東に急速に横切ってゆくと予想される。そして6日には太平洋に出て東方に去ってゆくと。★ただし本州上陸直前に温帯低気圧に変わって、予報上は台風の扱いを受けなくなると予想されている。★それにしても「石川県か新潟県か山形県か」で日本列島を東に突っ切る台風というのは前代未聞で、しかしその瞬間に温帯低気圧に変われば「もはや台風ではない」。★しかし台風であろうがなかろうが、此奴は甚大な影響を6日の日本列島に与える。「台風」通路の南側の関東は、時ならぬ猛烈な夏日となる。「台風」通過の北側の北海道では、時ならぬ猛烈な冬季現象が、北海道の山地、高地に起こって、降雪、凍結が起こる。
2016-10-04 22:00:00
日ロ関係の21世紀(7) 仮に相当に大規模の日ロ経済協力合意が成ったと仮定した場合、(それは北海道が半世紀も待ち続けていた仮定だが)もちろん北海道のヴィジョンはガラッと変わる。みんな長い間考えてきたことなので、年取った道民はみな知っている。ただ、若い道民と本州の人々はにわかには察しまい。★ヴィジョンとして、北海道の港湾、河川、鉄道、道路についての「目」がまず違ってくる。そもそも小樽だの留萌だの稚内だのが、どうして今でもあの程度の構えを示していられるのか。戦前日本海の物流がそれだけ盛んだった。その中にソ連沿海州の占める地位は決して低くはない。石狩湾新港だのその後背地の広大な荷揚げ基地だのどうしてあんなものを作ったと思うか。シベリアとの物流を当て込んでいた。シベリア鉄道を北海道から走らせるなどとロシア人から提案されているが、ナニ、トンネルなど掘らなくとも稚内とサハリンはすぐつながる。戦前そうやって連絡船でサハリンと結んでいたのだ。あとサハリンとワニノを連絡船で結びさえすれば、北海道発の汽車は時日をあまりおかずシベリアを走っている。(これもJR北海道の所管にしてモスクワまで走らせますか。ただ、線路のゲージが違う。それとも北海道だけロシアゲージにしますか。)北海道は東西南北すべて海につながるという驚くべき地形です。日本海物流と太平洋物流を石狩港から苫小牧港へ向かう「ランドブリッジ」を設定して連結することができる。(こういうことを念頭に置いて苫小牧東部開発などをやったんでしたね。)今苫小牧から静内へ向かう鉄道を廃線にしようとかいう気違いがいるが、あんな素晴らしいところから鉄道を取り上げてどうするのか。こんな具合に延々と描き続けることができるが、道民よ、多少は想像力を持ってもらいたい。