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2018-11-27 11:12:00
2018年11月27日・火曜日・くもり・札幌。★「消費増税対策で9項目」(道新1頁ほか)。来年10月に消費税を予定通り2%上げる際に、需要の急減退で景気が落ち込むのを防ぐため、臨時の景気振興策をしようということのようだ。この9項目の中で特に世間の注目を集めるのが、クレジットカードのような電子決済のものについて数カ月間に限定して「5%」ぐらい還元する施策を企画している点だ。ただ、発想は面白いけれど、果たしてこれが現実にはできることなのかどうか。★日産のゴーン氏の事件は、最初の単純な報道から、だんだん事細かな詮索になってくると、事件の構図は日仏間の問題としてだんだん大きくなってくる。★どうやら事の真相は、日産が独自性を強めるために行ったクーデターということのようだ。とにかく、邪魔なゴーン氏を追っ払ってしまった。★そうすると、当初の報道時にフランス側では日産の取締役会を「ブルータスか」、日本側では「明智光秀か」、と感じたのは正確だったことになる。★残る問題はただ一つ。これが「光秀の3日天下」なのか、あるいは明智幕府ができるのか、というところだ。ダメだった場合、フランス的見解だと、「オクタビアヌスのローマ帝政」がやってくる。日本的の場合、「豊臣秀吉の天下」がやってくる。現実論としてはもし日産の経営改革が今後につちもさんちもゆかなくなったときには、たぶん米国の超大手が日産を買収して、日産のニの字も後に残らないようにばらばらに切り売りされてしまうのだろう。(米国型のリストラはたいていそうなる。)日産がどっちへ向かうのかは、今後とも日本経済のトップニュースだろう。なにしろトヨタに次ぐ、日本第2位のナショナル・フラッグだからね。
2018-11-26 10:27:00
2018年11月26日・月曜日・曇だが、晴れ目あり・札幌。★道新1頁ほか。「22歳貴景勝が初優勝」。白鳳、鶴竜なく、稀勢の里もすぐ休場。この九州場所は横綱不在という異例の姿だった。それを東の小結、貴景勝と、西の大関、高安が、よく頑張って、見られる場にした。★貴景勝、12勝2敗の優勝。今は幻となった貴乃花部屋出身。★ななへやへはなはさけともやまふきのみのひとつたになきそかなしき。この「身・味・実」とは、貴乃花であり、貴乃花部屋さ。貴景勝の今回の優勝。いい鎮魂になったのではないか。将来「貴**」部屋を起こしなさい。
2018-11-25 17:59:00
カルロス・ゴーン+フィリップ・エリス『カルロス・ゴーン、経営を語る』日本経済新報社、2003年。本書の翻訳者高野優氏が、本書内容を次の4つに集約している。(巻末、訳者あとがき)1.ゴーンの生い立ち、2.「インタビューに答える」ゴーンの生の言葉、3.ミシュランの幹部など、ほかの経営者に対するゴーンのコメント、4.日産とルノーの提携。★1.「ゴーンの生い立ち」は、第1章から第7章までがそれにあたる。ゴーンの家族はベイルート出身。ブラジルに渡った。ゴーンはブラジルで生まれた。(もし彼に、大統領への野心ということを想像するなら、その国はきっとブラジルだろう。)長じてフランスに渡り、フランスで最高度の教育を受ける。ゴーンは間違いなく、フランスえり抜きのエリートだ。この「多国籍人」、フランス、ミシュラン(世界的タイヤメーカー)に1978年入社、ミシュラン社のヨーロッパ各社を転勤、その間に経営者たるべき資質を磨く。(ミシュラン社がそう仕向けている。)1984年、当時危機的状況にあったミシュラン・ブラジルの経営改革のために、最高執行責任者としてリオデジャネイロ(ブラジル)に赴任。改革を成功させて1989年、米国ミシュランに赴任する。1995年ミシュラン本社再編計画のなかの乗用車・小型トラック用タイヤという部門の再編責任者になったが、体は北米にとどまっていた。1996年、ヘッドハンターからフランスのルノー自動車の経営改革のため「ナンバー2」として入社しないかと誘われる。(ナンバー1は、ルイ・シュバイツァー会長)ルノー社再建中の1998年に日産の経営危機とルノーの日産との提携の話が起こり、ゴーンはルノー社から1999年に経営再建のために日産に派遣されるのである。かれはそれまでに、ブラジル・ミシュラン再建、北米ミシュラン再建、フランス・ルノー再建という経営改革をすでに3つも、成功裡に果たしていた。★この3つの改革自体、たいへんに興味深い。ミシュランが若い社員の中から選んで経営者を育ててゆく仕方が話の中から「透けて」見える。★わが日産なり、他のモノヅクリの有力メーカーなりが、自社若手の中から明日のゴーンたちを育てられるかね。(日本の他社から次代若手経営者をスカウトしてもよろしい。ゴーン氏もこの本のどこかでそう言っていた。)そして、日本の大学はフランスの大学ほど、エリートを育てる力はあるかね。もしそうというのなら、今後1文たりとも外国人助っ人に払わなくともいいよ。その場合、日本の未来は洋々たるものだ。
2018-11-25 16:46:00
『カルロス・ゴーン、経営を語る』これは日本経済新報社から2003年に発行された本の題名で、著者カルロス・ゴーン+フィリップ・リエスとしてある。ゴーン氏が当時破綻に瀕していた日産改革のためにフランスのルノー社から派遣されて1999年の4月に日産に到着して以来4年ほどの、改革初期の日産経営の形を伝えている。デカルトを生んだ国から派遣されてやった来た人物の話だから、内容はたいへんに「クレール」、いまゴーン氏は「事件」によって渦中の人物となっているが、様々の報道がある中で、ゴーン氏が自らを釈明する話はほとんどない。もしいまゴーン氏に「口」があれば、自分のやった改革のありようを、少しはしんしゃくしてくれてよさそうなものだと思うに違いない。この男が年間10億円だか20億円だかの報酬を受け取るのは、まったく不当なことだろうか。わたしはドラッカーの経営という本を読んでいたが、いっそこのゴーン氏の本を紹介して、こういうmanagementは識者からみてまったく不当のものか、これだけの広がりや、展望や、考慮を含んでいる改革は、だれでもがんばれば容易にできるものなのか、聞いてみたい気がする。特に大事な点は、現日産の上級経営者に、これからこういうmanagement が可能かと聞いてみたい。★ゴーン氏「任意同行」は到着した航空機の中でおこなわれ、ゴーン氏が了解しないので数時間かかったそうだ。まるで原爆でも盗んだ国家的重大犯罪者に対する扱いだ。ほかの場所ではだめだったのだろうか。そしてなぜ今頃こんなニュースが出てくるのか。★郷原信朗氏は自身のブログでかの「隠蔽役員報酬」について、検察はこの中身をさっぱり示さないし、日産経営陣も示さない、新聞報道もまちまちで、退職後に受け取る予定の慰労金としている報道もあるが、そういう未来のお金を有価証券報告書に毎年明示しなければならないというのか、と疑問を示している。いずれこのブログ記事、道新に載るのだろう。こういう議論を今頃しなければならないのか。
2018-11-24 09:39:00
2018年11月24日・土曜日・晴れ・札幌。★昨日は降雪があったが、今朝の札幌は快晴だった。★北方領土問題、日産の問題、新聞の話題になり続けている。★昨日の道新で、郷原さんという「ブロッガー」の意見を特に紹介していた。郷原さんの論旨に従うと、経営者の超高給は日本人一般には評判が悪いが、こういう問題を考える背景には、「会社は誰のものか」という文化的かつイデオロギー的問題が存在していることを、現代は意識せざるを得ない事になる。欧米では「会社は株主のもの」という意向が支配的だから、会社を設けさせて高株価を演出した経営者は超高給を食むことが当然視される傾向にある。しかし日本のように「会社は従業員、顧客等会社に関係する全てのもの」という意識が強いところでは、経営者の高給自体が犯罪視されるきらいがある。(もつともゴーン氏の問題は、ずいぶん特異だが。)★ところでわたし、昨日Drucker氏のManagementという洋書をブックオフで買ってきて、ぱらぱらと冒頭から眺めていて、「おやっ」と思った。わたしが「経営」という言葉の下で理解していることと、ドラッカー氏がいっているManagementは、かなりの食い違いがある。現代の会社にmanagementがあることが、昔の会社との大きな違いだとか、managementはそのような「機能」というだけでなく、じつに「集団」であるとか、「そのような職業人によって担われる」とか、「これはわたしが従来思っていたmanagementとはだいぶ違うぞ」と思うようになった。それで、除雪で忙しいのにもかかわらずこの大部800余頁の英書を読んでみることにした。(ただ、英文そのものは平易である。)★近年新会社法が施行され、国民の大部分はそんなものなど知らない。いつのまにやら、会社は昔の会社とは違っている。あさひ狛法律事務所編『新会社法のすべて』中央経済社、平成17年は、ありがたいことにちょうどこの法律の代わり際に書かれたので、新しい会社法に対する「疑問」をじゃんじゃん書いている。これもブックオフで買った。(100円)わたしもよく知らない「今の会社」をクローズアップしてみよう。そして郷原さんの指摘する「会社問題の背景」は、奥村宏先生に「会社はだれのものか」など、大量の著書がある。★それに、会社「コンサルタント」とはなんだろう。大前研一氏のマッケンジー流「コンサルタント」と、北海道で昔ポピュラーだった「スト破り請負人」とは、だいぶ違うようような気がする。じゃあコンサルタントとは本当は何だろう。★おまえそんなことも知らないで生きてきたのかと言われそうだが、じゃあ、あなた、良く知っているの?