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私がこの「お知らせ」で取り上げた話題は、正しくは「電子自動車」ではなくて、「電気自動車」だろう。文字通り、ガソリンではなくて電気をエネルギーとして動く自動車だ。その自動車の運転系統が一個のシステムとして取り扱われて、自動運転を目指す方向であり、そのシステムはいわば巨大なAI・電子システムだから、電子自動車と呼んでも違和感はないが、普通はやはり「電気自動車」(EV)と呼ぶ。★わたしにしたってよく知っているわけではない。直接には、「エコノミスト オン ライン」上の「テスラが巨大工場で中国攻略 コスト優位性で日欧勢に挑む=湯進氏」という記事、20年4月27日配信、を引用している。特にその中の2020年1-3月の販売台数トップ10車種という表で、中国で開発・販売されている新エネルギー車(NEV)の中で、米国企業のテスラのモデル3が、圧倒的優位を示していることを、示している。☆「販売台数」で勢いを計るのは、従来の自動車メーカーの伝統的手法だが、いま、旧自動車から新自動車への移行期には、「販売台数の伸び」の持つ意味が、トヨタのような旧自動車メーカーでは非常な足枷(収益力の低下)を伴うものとなるが、新自動車メーカーにとっては指数関数的成長を意味することになる。この「事情」のゆえに、株価売上高倍率でいうと、テスラはトヨタの7倍の評価を受けて、たとえばグーグルと同程度の評価を受けるというのだ。★ネットで記事を読むと、その同じページに「エコノミスト8月11日・18日合併号」広告が出ている。その号の中の記事「ついに世界1位!悔しがるトヨタが到底まねできない[テスラだけの3つの強み]」という記事か出ていて、たいへんに参考になる。どうだろう。お盆はこのエコノミストを購読したら?☆ポストコロナにはこの新産業が世界の耳目を一層引くことになろう。どうしても米中経済協力がなければ、米国テスラが発達して首位に付けていることは不可能だと思うが、なおかつつまらない争いをくりひろげるのかね。
月曜日・曇り、気温予報26-20度・札幌。★青森県で、都会の人間が実家に一時帰省するのを非難する強烈な匿名の文章が「実家」の玄関に放り込まれていたと大騒ぎになっていると、テレビが報じている。それにしても都会の人間が3人なり4人なりの一行になってお盆帰省するのが、実家側にとって実は大変な「難行」と化す場合が決して少なくはない。(せっかく高い旅費をかけて実家に来た人々が、この機会に大いに羽根を伸ばして心身を休めようとするのは、「理の当然」かもしれないだろうがね。年老いて心身ともに不如意になつている両親をいたわるためにお盆帰省すると考える都会人がどれくらいいるか。)ましてやこのコロナ禍の下。この「とんでもない匿名の文章」は、かなり多くの地方居住者の心を表現しているような気がする。だからたまたま現れたこの文章、このニュース、これからお盆までぜひ連日テレビで報道していただきたいものだ。★道新5頁社説「厳しい世界経済 けん引役不在が心配だ」。世界経済の現在は、経済のけん引役が見当たらないので、将来が心配だという論旨。肝心の米国は、経済推進が「前のめりに過ぎて」感染抑制がおぼつかなくなっていて心配である。中国も現状維持が精いっぱいで盛り上がりを欠く、という。★たまたまブログで「自動車:テスラが」という文章を見たが、電子自動車というコンセプトが異常な成長率を秘しているという記事である。現在「テスラ」という米国メーカーがトップの座にあるが、欧米諸国の電子自動車の中国現地生産でも、テスラは並はずれて高い競争力を発揮しているという。どうして米国は、中国でのテスラ開発をこのコロナ禍の下でも急発展させて、「明日の世界の自動車王国」を目指さないのか。(というのは、米国ステラは目下休業中だからだ。)この米国が主導する自動車王国、米中の親しい経済協力がなければまったく成り立つまい。
8月7日号道新17頁「札幌圏に人口集中 動態調査 札幌など4市で増加」。本年1月1日現在、札幌市の人口は、人口1944357人で、前年比は2388人の増加。内訳は、自然増-6938人、社会増9326人であると。道内からの札幌への流入が、この社会増の内容であろうと。★札幌市内で人口が増加した地区は、中央区、白石区、豊平区、西区であった。社会増で増えたのである。★その他江別市、千歳市、恵庭市が増えた。いずれも社会増で増えた。☆こうして、なぜ江別市で従来の空地がどんどん減っていったのかが明瞭となった。江別市市政策推進課は「大麻、野幌地区などで宅地開発が進み、市の住宅購入補助や子供向け政策が奏功している」と分析した由。
土曜日・曇、25-17度・札幌。★このところ札幌は曇天が多いが、あと数日、こういう天候が続きそうだ。その間、気温は低く抑えられている。道北の宗谷管内にめったにない大雨が降った。道新30頁「宗谷管内記録的大雨」(北海道は広いので、地域により気候にかなりの違いがある。道南・道央・道東・道北というように、分けて考える。札幌は道央)★道新1頁「札幌の宿泊施設 進む価格破壊」。政府と北海道の観光援助金を使って、札幌でバカ安の企画をしている特集。こんな呆れた観光援助金がいつまでも続く道理がない。8月で、それも前半に集中して、こういう企画はおしまいでよかろう。同30頁「道内民泊 4分の1廃業」。そもそも外国人観光客の誘致がいまは絶望的なので、これも致し方ない。国内だけでは、どんな人為的手段を尽くしても、どうにもなるまい。普段の年でも例年、8月が過ぎれば道内観光地に閑古鳥が鳴く。地元北海道の人間は、海外からも本州からも来客が途絶えた9-10月のような端境期に温泉に行ったりしていた。年内ぐらいに国内コロナ禍収束の見通しが立てばいいのだが。★東京都世田谷区長が「いつでも、どこでも、何度でも」コロナ検査を行うという声明をしていた(たとえばブログでは「世田谷モデルとは?PCR検査の大幅拡充、保坂区長が表明」HUFFPOST8月4日配信)。最初この話を聞いたとき、報道の仕方が中途半端で、どういうことかよくわからなかった。昨晩(8月7日)テレビBS-TBS7.30-9.00のニュース1930、「東京がエピセンター化と警鐘、制圧に20万人以上のPCR検査、世田谷モデルの父、児玉龍彦教授が生出演」を聴いて、この驚くべき企画の大筋が理解できた。わたしはこの世田谷モデルに大いに期待する。詳しくはブログ上で、「児玉龍彦」をキーワードにして引いてごらんなさい。現在の政府・厚労省筋の対策に対して、地方自治体が提起する「全国モデル」として成長していただきたい。
北海道新聞8月4日号6頁に「時代を視る」というエッセイが載るが、この日の場合、中村和恵氏「コロナ時代を生きる知恵 豪先住民族の思想に学ぶ」という文章であった。現在のコロナ禍を思うにつけても、人類は無慮数万年もの歴史の間に、当然に「危険な病原体が猛威を振るう」状況に何度も遭遇したはずで、よくも人類は「病原体の危険」に会いながら絶滅を免れたものだと。「人類絶滅の危機」は、集住、自然を開発する行為、人口増加の3つをきっかけにするのではないかと説いて、オーストラリア先住民に見られる「まばらに暮らす」狩猟採集民の生活、「ぼくらは大地が維持可能な数にしか人口を増やさなかった」(ソーントン氏)生活が、オーストラリア先住民の場合、「病原体の危険」を5万年間乗り越えてきたと説かれる。☆ここまでの論旨はよくわかる。これは事実を述べた文であり、かくてオーストラリア先住民が5万年の歴史を生きたと言っている。しかしこの先で筆者は一歩踏み出して、「現在の人類」の運命を話題にする。その際に「狩猟採集民の小集団こそ、人類史上もつとも長く採用されてきたライフスタイルであり、古代の都市国家などはじつはごく例外的なものだった」(スコット氏)という「テーゼ」が「現在の人類」にとっても当然の基準とされる。「古代の都市文明は、みな滅びた。近代国家と高度な現代文明の歴史は、ここわずか数百年。先は、分からない。」と主張されるわけだ。☆都市化と地球環境破壊に抗する人類的工夫を進めるのが肝要で、そのための知の構築が必要だとの結論は当然である。しかしその工夫やそのための知の構築の議論は、たいへん大雑把な付けたしになっている。たいへん弱弱しい結論であるだけに、「都市は人類にとって例外的なもの」というこの人の断言だけが重々しく響く。さてこれを読んだ人は何をすればいいのだろうかね。