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2016-06-25 20:25:00
これは前回の書き込み「EU離脱後英国の世界構想」に続いて、私が、その世界構想に釣り合う「英国の新国是」を勝手に絵にしてみたものです。べつにどなたの了解も得たものではない。 いま世界に起こっている新しい事態を観察すれば、米国とEUという二大勢力に対して、「第三の世界」が必要になっている。英国はこの「第三の世界」の中心になって、世界の諸国と米国およびEUとの関係を取り持つ地位にありたい。 その特に重要な課題は、中国、インド、ロシア、ブラジル等々、いわゆる資本主義の「新興諸国」をどう糾合するかということである。これらの新興諸国は最近目立って存在感を増してきて、それ以前の国際関係の常識では処理できなくなっている。その場合、米国にぴったりくっついている国、EUにぴったりくっついている国、は二義的となろう。わが日本は現状ではあまりにも米国にぴったりくっいているので、「特殊な場合」についてしか、この件には該当しない。 あくまでも独立独歩の気概がある国々を対象に考える。 また、あまりにも金融経済化したグローバル的経済と、本来の地域性の強い国民的経済の間に、どの先進国においても深い亀裂が生じて、体制の存続を難しくしている。英国自身がそれ自体におけるこの「亀裂」を見直し、埋める決断をすると同時に、同様の国民的課題に苦吟し従来の体制を変えようとしている国々に強力なサポートを与える。早い話、EUの構成国でありながら、EUの下にあるがゆえに自国のアイデンテテイ確立に苦しむ諸国、たとえば、スペイン、イタリア、ギリシヤなどに、しかるべき支援を与える。 国際的・国内的に、いくつかの原則を建てよう。 1. 頑固な原理主義はすべてこれを排する。いま地上にある国々は、かならずしも同じ発展の平面にはいない。どんなに「素晴らしい」原理であろうが、絶対の原理は支持しない。 宗教上は、「宗教多元主義」をとる。ある国の宗教なり文化なりは尊重するが、それを他に強制することは支持しない。 国際協定は、常に協定目的に限定して行い、頑固な政治的拘束を常に排除する。 2. 経済交流の多くは、物の交流(貿易・投資)を中心にし、移民は極めて限定するか、あるいは扱わない。(デッキパセンジャーと観光客は奨励するが、移民は限定する。) 軍事交流は原則として行わない。知恵と情報の交流はもっとも活発にする。要するに「トラフイーク」だ。各国の内部に深入りして各国のアイデンテティを変えてしまうような交流は、志さない。 新しい文物の移転にさいしては、その国による受容が穏やかに、段階的に進むように配慮する。 別に、国際連合なり、その他の国際機関になりかわるものではないから、それらの国際機関とは妥当な折れ合いを図る。等々。