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2020-06-06 09:19:00

土曜日・曇・札幌。★北海道新聞6頁。「米欧コロナ急増懸念、デモ激化『社会的距離』保たれず。『抗議は権利』の声も」。☆わたしはいずれこういうときがやってくると思っていた。それがわりと早くやってきた。抗議デモについての記事が、コロナ禍の下での集団的密集行動を社会悪としてなじる記事である。☆わたしはこう思う。いまコロナ禍の下で社会は不時の臨時行動をとっている。それは多くの不都合も生み、いまの記事の多くがそういう不都合を話題にする。☆ところが黒人暴行死に端を発したこの全米的抗議デモは、コロナ禍の下での社会秩序では圧殺しがたい全米の恵まれない地位にある人々の社会的歴史的に低位の地位の抜本的改善を訴えるものであるようだ。この「突出性」こそがこの「事件」の大きな特徴だ。★ジン氏の『米国史』通読中。6.Intimately Oppressed. 「虐げられたる者」として、女性が、話題となる。この話題の登場にびっくりするのは、身が男性成るが故のふつつかさ。なにやらここに書かれている「女性の歴史的受難」が、今も身の回りの自然とも感じられる。しかし米国史としては、1810年代、20年代に女権主張のうねりが始まり、30年代、40年代、50年代と発展してゆくのだろう。女性にとって「家庭の」身近な隷従者である黒人奴隷の人権への配慮も、女権伸長にかかわる面が少なくないと(米国史の場合)、知った次第。7.As Long as Grass

 Grows or Water Runs. インディアン受難史。なんだこんなに遅く今頃この話題を扱うのかと思ったが、ことは受難などというレベルではなく、かって全米的に居住していたインディアンが、結局「白人の邪魔なので」全米的に絶滅に瀕するありように追い込まれた歴史で、特にここで主な話題になる19世紀前半の「移住強制」の流れは、乱暴なものであった。(白人の目でみればこれは輝かしい西部開拓史だ)タイトルのAs long as Grass Grows or Water Runsは、白人が当時永遠に続くものとして約束した(まもなく破られた)インデイアン部族の居住権の形容。この文句は、ベトナム戦争に従軍したインディアン出身兵士が自ら被った差別と権利の侵害を思って泣きながら口にした文句として引用されている(133頁)。「子供用の歴史の本は、インデアン移住の意味について、実にかんたんにしか扱っていない」(124頁)という筆者の怒りの声は、至当に響く。昨日テレビでみたニュース解説で、やけに日本語のうまいアメリカ人が画面に現れて、いま行われている抗議デモについて、小学校低学年担当の教師を呼び出して10分ほど「感想」聞いていたが、この教師がどれほど正当にデモの評価を日本人に伝えられるんだろうね。ミネソタパブリックラジオの解説ニュースでは、あらゆる人々の人権が現在は法によってこれほど守られているということをわかりやすく、聞きやすい英語で話している。(日本の大学生諸子も、勉強のあいまにこういう英語を聴いたらどうだ)。しかし虐げられた人々は、現実に法が示唆する補償を長いこと受けられないでいる恨みが、「白人が簡単に約束を破ってきた」歴史的思い出とピタッと重なるのではなかろうか。これが今の全米連帯抗議デモではあるまいか。

 

2020-06-05 08:45:00
金曜日・曇・札幌。★北海道新聞8頁「人種差別 争点に浮上、米デモ拡大」☆「何の争点」に浮上したのかと言うと、今秋11月に行われる予定の米国大統領選の争点ということで、現在の米国に現実に存在する人種差別問題に「選挙による変革」(オバマ氏最近の演説のことば)を与えようという提案である。むろん民主党バイデン候補側からの提案でもある。共和党トランプ氏側は反対とみられるので、こういう記事見出しのようになるのだろう。★道新同8頁「米軍元高官ら大統領批判、黒人暴行死元警官4人訴追」ミネソタ州ミネアポリスで起こったこの暴行事件について、ミネソタ州検察当局は3日、殺害者白人デレク・ショービン容疑者をすでに第三級殺人の疑いで逮捕していたが、その後「故意」が内容となる第二級殺人容疑に切り替えた由。3日殺人ほう助の疑いで元警官白人3人も逮捕訴追した。☆米国の社会的現実からすれば、警官が有罪判決で実刑判決を受け収監されるなら、「牢内」での無事は期しがたい。ましてや人種差別でこれほど有名になった事件であるから、おそらく短期間に牢内で「囚人たち」に「死刑執行」されてしまうであろう。(特例をもって、単独収監すべきだろう。)わたしは昨日ウエブ上で、デレク・ショービン容疑者の明瞭な写真を見た。不吉な予想だが、ちょうどケネディ大統領殺害犯人と目された人物が衆人環視の中で殺害された事件を思い出す。どうも米国は権力関係がおそろしく荒っぽい社会だ。関与警官4人全員の逮捕・起訴という形では、Black Lives Matterの訴えの直接の対応は果たされたことになる。しかし今やことはあらゆる「虐げられた」人々の問題と化している。☆わたしは、「ミネソタ パブリック ラジオ」という米国のラジオ局に、時々親しんでいました。この局のラジオ放送の英語が、私の耳にはとても聞きやすいのです。ニュースや解説や音楽や、子供用の物語や音楽もあります。みなさんためしに一度聞かれては?ここで聞いたニュースによると、「3人の白人警官」の保釈金は、各人1人100万ドルだそうだ。この保釈金額では、逃亡はとても考えられない。
2020-06-04 11:40:00
木曜日・曇り、24‐12度・札幌。★北海道新聞1頁「米デモ50州に拡大 国務長官 軍投入に慎重」。★同6頁、各自核論「米の黒人暴行死抗議デモ 根深い格差と人種分断」。★同5頁「米デモ 市民『平和的に』 犠牲者弟 破壊行為に怒り」。★上記、各自各論の執筆者である会田弘継氏は、ゼミで学生と「人種問題取材」という本を読んでいるそうだが、今回の米国抗議デモの背景にある米国社会の貧富の大きな格差について、おそるべき指摘をしている。じつは1964年公民権法以降にも、黒人と白人の経済格差は広くなっていって、あのオバマ時代にも、この格差問題には対応に成功したとは言えないと。★民主党オバマ時代にもできなかったことだというのか。これが、民主党大統領候補がいま置かれている状況なんだろうな。つまりオバマ時代はかならずしも成功体験になれないのだ。「オバマ通り」では不十分なのだ。じゃ、なにをどうすればいいんだ。仮にバイデンが勝っても、悩みは尽きない。しかし、努力はできるだろう。
2020-06-03 09:40:00
北海道新聞1頁「トランプ氏『デモに軍派遣』 米大統領選へ強硬姿勢」。★同3頁「デモ強制排除の中米大統領演説 『制圧』強調 響く怒号」。★同7頁社説「米黒人死デモ 差別と格差への抗議だ」。★同8頁「軍投入、反乱法が根拠 米抗議デモ発動なら92年以来」。★richとpoorが住む国の憲法(米国憲法)成立時に、マサチュセッツ州でShay's Rebellion(1780)があって政府の武力で壊滅させられているが、政府指導者たちはこの過程で、米国憲法自体の中に政府が立てている秩序を武力を伴って脅かすものを政府の武力で討伐することを当然とする考えが含まれていると解する。この考えが法律化したものが反乱法なのであろぅ。Shay's Rebellionは、反乱と呼ぶにはいかにも哀れな事件で、政府の扱いに不満な退役軍人数百人が人数を頼んで法廷を威嚇したもの。「反乱」というほどのものではない、政府への抗議は、内容的には大いに同情できるものであり、そういう不満はうまく処理されないで、多くは力で抑えられた。このへんで話題にされている抗議者は、独立戦争を戦った復員兵で、白人である。★私はぼつぼつこのZinn氏の米国史(英文)を通読しているが、こういう抗議の中によく出てくる要求に、「政府は、(あるいは州は)紙幣を発行して復員兵の生活救済に当てよ」というのがある。私はこの「紙幣発行の要求」というのは、19世紀末に初めて出てくるものとばかり以前は思っていたが、実に米国政府成立時当初からよくみられる要求だったのか。わが日本史でいうと、徳政令発布要求だね。これは兌換紙幣でなく不換紙幣(政府紙幣)だろう。
2020-06-03 09:26:00
水曜日・晴れ・札幌。25度--14度。★テレワークが定着した都会の者が、地方への移住を考えるケースが、テレビで取材されていた。たしかに今回のコロナ禍で、テレワークが広がるだろう。アフターコロナには、働き方の一大潮流として社会に定着していると想像してもおかしくない。★それなら、本州の人々の北海道への移住も、テレワークと言う受け皿を充実することで一層現実的になるだろうと考えるのも現実的だろう。大変だが、決してできない相談ではないから。★特に夏季3か月なり、6ケ月なりに限定した移住は、大いに現実性が濃い。本州夏季の猛暑を北海道に移住して避けるのだ。台風だって、大雨だって、北海道のほうが避けやすい。北海道には、本州宿命の梅雨期もありませんよ。