インフォメーション
2025-06-27 12:14:00
道新は、中東のトランプ氏とイランのディールのありように興味を集中したが、大紙面を割いて、ピエール氏という人のトランプ評を傾聴した。ピエール氏は欧州の人らしい鋭い論理で、トランプ氏の政治を批評して、大いに傾聴するところがあった。この人の場合も、勘所の議論で、ハナ・アーレントの論評を取り上げている。/トランプ氏は第1期政権のときには、周囲に引き留める人物がいたせいか、無茶も中途半端で終わったが、今度の第2期では周囲をすっかりイエスマンで固めてしまったので、誰もトランプ氏を引き留めず暴走しているという。ピエール氏によるとトランプ氏は暴君専制で、傍若無人。自分の政治をすっかり嘘で固めている証拠に、この民主主義社会で政治的嘘というもを許さない領域が3つあるが、それが1.司法、2.メディア、3.大学だと。トランプ氏が司法、メディア、大学を目の敵にして押さえつけようとするのは偶然ではないと。/朝日の戦後80年という論説が、論理が甘くて大きくずっこぬけるのと比べると、このピェール氏の論法の方が隙がない。朝日の論説のほうは、戦後80年と銘打って「嘘で固めた過去」とすれば、「新日本も新憲法も」米国統治下で成り立ったのだから、これも嘘だよ、と暗に前提している、ぐらいのことは、別に文明批評家でなくとも容易に察知できよう(欧米の読者を前にしたら、こういう論法は通用すまいよ。シエーム、こういう時に英米人なら批評して言う。)そうすると、男女平等も、耕作民が農地を所有することも、なにもかも昭和20年以前に戻して、さあどうしようと言っているわけかね。欽定憲法下で考えるしかなくなるではないか。戦争に負けたことは、当時の指導者の一人がつぶやいたように、「一億総ざんげ」して反省するんだと。そういうことかね。
2025-06-27 08:28:00
今朝の朝日新聞は、11頁に、頁全部をとって、佐伯氏とかいう思想家(文明批評家か)の「日本の戦後80年」を論評するぶち抜き記事を出した。この文章は、1970年に出た江藤淳という思想家(この人も文明批評家?いや文芸批評家か)が発表した文章に全面的に依存してモノを言っている。いわく、戦後80年の日本の歴史は、「ごっこごっこ」ばかりのごまかしで明け暮れた、と。日本が米国と言う大国に政治的・経済的・金融的・社会的・文化的、なかんずく軍事的、に依存しながら、(つまり米国の51番目の州のような現実だったというのだ)あたかもそのようなことがないかのように装って、偽りの独自性を貫いているふりをしてきた、と。/してみれば朝日新聞も、新聞ごっこをしてきただけだ、と暗に自認しているわけだ。そもそも「穏やかな」社説のすぐ横に、他人に書かせた「大?」論評を載せる不見識が、それを示している。/大論評の結論は、日本人よ(特に野党の方々よ)、いまこそ日米安保体制を離れた見識と政治行動をお示しあれ、としている。/私見では、野田・立憲民主党はだめのようだな。野田党首の最近の言動は、政府に対して、穏やかに、穏やかに、という感じだ。それとも私の眼は節穴だったかな。ナニどの党派でもよい、どういう日本人でもよい、この「大論評」に向かったらよい。/スポーツ・ニッポン紙の社会欄は今日は文字通りの社会欄に徹した。仕方ないじゃないの。大朝日に比較しようというのがそもそも無理だった。
2025-06-27 08:21:00
別に驚くほどのことでもないのかもしれないが。10頁に社説があって、NATOの会合が今回「内向き」に過ぎたのではないか、と論難した。元来もっと国際的責務を語るべき会合が、自分らの軍事費負担を5%にしようという、トランプ氏提案の案件にかかり切った感じだったので。この軍事費問題を、「各国の問題」としないで、NATO全体の「努力目標」であるかのように決議文を細工したのがせいぜいの知恵。続く
2025-06-26 19:21:00
そもそも道新は、今度の中東のトランプ・ディールも、ウクライナ・ロシア間に行っているディールも、ちっとも評価していない。トランプ氏がもっぱら「力」を背景として、強引に持ち掛けている「平和戦略」で、国際的な平和のルールを多くの点で踏みにじっている。成り立ったかに見えるディールとかも、結局長続きしないとみている。「外交の機運を高め、対話を後押しすることこそ、平和憲法を掲げる日本の責務ではないか」という、堂々の見識で結んでいる。同感だよ。/先ずは、支持する人数を数えていないで、自分の生活上のゆるぎない判断を示そうではないか。国難の時こそ、そうなろう。/トランプ氏は、イランの核施設を空爆したことを、(その挙によって戦争を停止させたのだから、という事だろう)「日本の広島・長崎を米軍が原爆で攻撃」して「日本に停戦を余儀なくさせた」ことと、同等に評価できるのではないか、と聞こえる談話をしているが、この男の無神経ぶり、日本人はこんな指導者をぜんぜん信用できない。
2025-06-26 09:01:00
いまN ATOの重大な結論が出たところで、もはや逃げも隠れもならぬ、日本にはっきりとした「分岐点」がつきつけられることとなった。いままで日本は、なんとかごにゃごにゃしていれば、何とか凌げると、思っていたろう。ところがNATOの結論が出たとなると、もう「決断」せざるを得なくなった。我が国の将来を、福祉・平和国家とするか、それとも、大国間争覇を当然とする修羅の道を進むか、である。今日の新聞で、スポーツ・ニッポン紙社会欄だけが、「いま日本ではこの議論が目前の課題となった」ことを明瞭に提示した。(ただ、大変に残念なことに、同紙は、暗黙に「答」を決めてしまっている。「いまでは日本には平和国家という理念はない」んだとさ。)/NATOはトランプ氏の強請で、加盟国は、「2035年までに、と目標を定めて」軍事費をGDP比5%以上にし、「自衛の覚悟をする」のだと。ただ、スペインなど9か国は、GDP比2%すらおぼつかないので、スペインは「我が国は福祉国家だから、ほかの国と同じようにはゆかぬ」と反対したそうだ。しかし、ドイツなどはとっくに5%にしようとしている。わが日本は、岸田内閣の時にようやく2%という目標にした。現在の日本は、1.他の国家経費を削るか、2.増税するか、3.国債に依存するか、となるしかないが、どれも明らかに「不可能」。そうはいっても現に昭和10年前後には、「財政難」ではあったが、国家非常の策と、結局国債発行による収入をテコに強力な軍備増強を行い、やがてほどなく、支那事変、そして数年後、太平洋戦争に突入した。日本史はこの長い戦争を「15年」戦争と呼んでいる。わが大和民族はおおいにうっぷんを晴らしたが、(そしていまだに当時の日本を懐かしんでいる外国もあるが)昭和20年の無条件降伏を以って、「新しい日本」(実際に、「新日本」と呼んだよ。「新日本の建設に、うんぬん」(当時の宮城県県民歌の歌い始め)聞いてない人は知らないだろうが、生きている人はまさか忘れてはいないだろう。)ただ、スポーツニッポンは知らないのだね。ほかの新聞は、どう思うかね。ただ、こういうことを、改めて考えざるをえない時期が到来したのは、スポーツニッポンが言うとおりだ。いま国の始めを考えて、これからの国策を決めるとき、1.現憲法の成立した時が、いまにつながる新しい日本が始まった時と考えるか、2.初代神武天皇が大和の橿原大神宮で即位した紀元元年を以って、今につながる日本のはじめと考えるか。トランプ・アメリカは、欧州同様のGDP比5%の軍事費を、日本に迫ってくる。さて、我が国は、スペインになるか、ドイツになるか。