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2015-06-29 05:02:00

石狩湾新港が成立して以来、今日にいたる発展は、ここを札幌市貿易の出入り口だと(もうひとつの出入り口は新千歳空港ということになります。また苫小牧港もそういう意味をもつものと考えてよい)、期待する者にとって喜ばしいことです。石狩市自体にとってももちろん新港の発展が第一の関心事であったでしょう。

 

それにしても今日の石狩湾新港は、おもに日本内地とのフェリーや韓国方面の便船に支えられているのですが、もともとこの立地は、ロシアとの貿易の帰趨によって発展の度合いが違ってくるところでしょう。今日この新港地区に存在している広大な貿易用荷役基地は、その元来の機能の何分の1も発揮していません。私はよく自分が貿易商であることを夢見ましたが、その場合は現在空地同然のこの箇所に1区画ぐらい自分の貿易基地を設けることがそれほどたいした(相対的表現ですがね)費用ではあるまいと思いました。(いまなら、ね) 厳冬期にこの地区を通りながら自家用車で石狩湾新港に向うのは、広い道路が冬でも開通していますので、すさまじい冬景色を観察できて、私のような夢を見られる人には面白い見ものなんですが。(夏なら釣りをしている人々を観察するのも面白い見ものです。) 万が一ロシアとの国交が急に解決することがあれば、この地区は一転して日ロ貿易とシベリア開発の基地としての、たいへんな希望を集めることになります。これほどの見物はいまの本州にはありません。(いえ、鯵ヶ沢港というのが東北の青森にありますが、その将来の港運も石狩湾と似ています。)

 

もう1箇所、現在ならば空地同然の場所が北海道にあります。道東・苫小牧開発地域です。トヨタ自動車の基地がいくつかここに出来ましたが、その分はこの地区の広さの何分の1でもないでしょうよ。こういう「夢」とか「空想」とかの絵が描ける人なら、何年も飽きずに北海道を観察できるでしょう。かんじんの苫小牧港それ自体が、まだまだ発展の余地があります。もし北極海航路が開けて、ヨーロッパ方面の貨物が北の方からアジアに向ってやってくるような日があれば、苫小牧港はその位置からして、格好の中継港です。広大な苫小牧開発地域は、苫小牧港の願ってもない後背地になります。そうなった暁には、苫小牧から静内方面の鉄道路線の確保は、頼まれなくたってどんな無気力な政治家でも政策に掲げるでしょうよ。願わくば、いま掲げて欲しいものです。なにしろいまこの地区の鉄道が放棄されかかっていますので。

 

いま地球上に残された開発の夢の一つが、シベリア開発です。国や政治が、この夢を邪魔しています。しかし夢というものはそうそうはありませんので、いずれ賢い政治家が出現する日が来るでしょう。そして北海道の夢は、シベリア開発の夢に非常に依存しています。

 

 

 

そして石狩湾新港が将来このような発展を見せるときには、内陸にも重大な変化が現われるでしょう。いま札幌市の東側にある江別市は、残念ながら市勢がぱっとしませんが(それというのも経済がぱっとしないからです)、この江別市は地勢上、札幌圏と新千歳空港、および苫小牧港を結ぶたいへんに都合の良い場所にあります。さらに江別市を新しい道路と迂回鉄道で石狩湾新港と結べば、道央を南北に縦断する重要な軸線の中心になるわけで、その場合江別市は、ことと次第では札幌市を凌ぐ道内有数の都市となれるでしょう。(この江別市と石狩湾新港を結ぶ考えは、江別市の人間ならみなよく記憶しているでしょうが、数日前になくなった町村信孝衆議院議員の町村構想でした。町村氏の後継者が誰か知りませんが、願わくばこのような壮大な絵の描ける人物であってほしいと思います。) 「夢」というのは、こういう絵を言うのではなかろうか。本州からたまたまやってくる人間が、いまの江別市を観察して、このような夢も念頭におけたら、たいしたみものですが。(本州人がこの調子で北海道を観察していたら、ひととおり観察し終わるのにきっと数年かかるでしょう。そしてついに北海道人・どさんこ・になってしまうのです。)