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2025-05-24 18:55:00
道新は、さすがに今や日本のコメどころのひとつ「北海道」の新聞である。1頁に「備蓄米店頭『2000円』小泉農水相、来月上旬に」とまず驚き、ついで2頁で、「米価反転 政権浮沈占う 急進策、農業票離れ懸念」と、政治的にいまコメを潤沢に安く売ることが政府としての課題になっていることはわかるが、現在政府保管の備蓄米が60万トンしかないのに、それが可能なのか、生産者である農家側にとんでもない悪い条件を押し付けることになりはしないか、と警戒する。そして「外国から輸入する」という手をすぐに考えるのではなかろうかという危惧から、3頁に「米国コメ農家日本照準」という大きな解説的紙面を用意し、藤永卓郎氏による現地取材記事を入れる。確かに今のカリフォルニアでは日本米に品質が近い「カルヒカリ」というものが米国内では5キロ当たり2600-2700円程度で売られており、日本が買いたいと言えば政府もコメ農家も飛びついてくるだろう。しかし、現地にも水不足など困難もあり、日本への供給が絶対安心とは言えないとしている。かように大変に生産者に顧慮した記事になるのは、重ねて言うが、コメの生産地だから。スポーツニッポン紙はわずかの紙面を最大限に宛てて、「進次郎農相6月初旬にもコメ5キロ2000円台」という記事を出しているが、このわずかの紙面なのに、進次郎氏が政府備蓄米を以前のように入札で集荷業者に販売するのではなく、政府が価格を決めて卸売業者と小売業者に売り渡すと、丁寧な図入りで説明している。そして「安く売る」というが「量は明示していない」と、結局は多くの人を失望させ、政府への不満となって「参院選には自民党への逆風になるのではないか」という異見を紹介している。朝日新聞はもちろん、1頁に「備蓄米5キロ2000円程度で店頭に 農水相意向随意契約 来月にも」、そして3頁に「スピード放出潜むリスク 備蓄米残り60万トン『無制限』可能か」と釘を刺した。また6頁に、「お米が高くて伸びる麺市場」という参考記事を載せた。このように朝日新聞とスポーツニッポン紙は消費者寄り、北海道新聞は生産者寄りの姿勢を示したが、どちらも素晴らしく有益な記事だと思いませんか。