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2025-04-25 05:06:00
トランプ氏が唱えた「ディール」は、その「突破点」がまずガザ問題に向かい、次にウクライナ問題に向かい、いま対日問題に向かった。この「向かい方」は、徹底的脅しという戦法。だが私の観察では対日ディールの本質的内容から言って、対日の向かい方は「懇願」でしかありえない。いま米国に緊急に必要なのは米国政府の財政危機を救う事であり、このためには日本政府を説得するしかないのだ。日本が米国政府救済の第一のカギを握っている。そして今回トランプ氏に送った日本政府の「行人」は、「米国の要望を快諾する」というメッセージを携えて行った。/トランプ氏の宮廷はこのように第3の突破点でほっと安心した。「徹底的脅し」の世界的構図は、もともとこの「脅し」が本当のものと思わせる大ブラフに過ぎない。緊張していた世界も米国も、「緊張が緩んできた」ことを感知して「緩み」だした。関税戦争を見直すようすや、連邦銀行議長を脅迫するのをやめたことや、中国と解け合いの様子をみせたことや、ロシアが現状休戦を唱えだしたことや、こういったことが一挙に起こっている。日本政府による米国政府救済は、日米両国の国民にショックを与えないようもっともそうな話をたくさん作りながら進んでゆくだろうから、そう心配しないでもよいと思う。「行人」論で言えば、弁慶が朗々と勧進帳を読む演技を鑑賞しておればよろしい。トランプのブラフは成功裏に一段落した。