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2023-10-21 16:37:00
北海道新聞10月21日号 3頁。「ニュース虫眼鏡 イスラエル、ハマスと戦闘 領有巡り対立 融和の気分移転」。 問答風の解説記事。「融和の気分」とは、サウジとイスラエルが国交正常化交渉をすすめていたところだったのが、今回棚上げされたということだ。ここで述べられている記事に追加しておきたい知識は、このイスラエル建国(1948年)が、独特の世界史的事情で成り立ったという史実だ。もともとこの地域にユダヤ人の集住する場所はなかった。西アジアにユダヤ人の国は確かにあったが、それは2000年以上も昔の話で、「旧約聖書」的歴史である。その後はユダヤ人の集住したというほどのことはない。紀元7世紀にマホメットによるイスラム教という世界宗教が始まり、それ以来中東はイスラム教の下、アラブ民族とペルシャ人の多くの国ができて今日に至っている。ちなみにエジプトもトルコもイスラム教の国だ。/第2次大戦が終わったとき、自分たちの民族の国を作りたいというユダヤ民族の悲願を受け入れて、米国と英国が強い後ろ建てになって、パレスチナにイスラエル国が成立した。その同じ地域には従来パレスチナというイスラム教の国が存在していたので、パレスチナの人々を少し避けさせてイスラエル国が成立した。「なんとかユダヤ人がイスラム教徒たちと共存して生活できないか」という願いは、両者の鋭い対立によってかない難く、西アジアはイスラエルをめぐって世界中で最も紛争の多い地域であり続けた。/米国の世界覇権が永遠に続くのならともかく、未来が不確かであれば、早い時期に中東平和の確固たる基礎を築かねば、未来はたいへんなことになる可能性がある。