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2023-05-25 09:26:00
北海道新聞、5月25日号、朝刊、26頁。女川原発というのは、東日本大震災のさいに大きな被害を受けた宮城県石巻市の一部で、石巻市女川、以前は女川町といっていた。その女川という漁業の町の海沿いに、宮城県唯一の原発「女川原発」がある。震災時、この付近の住民が、なんと女川原発の屋上に退避して、助かっている。/なんとこの原発は、五つ存在していた外部電力が四つとも切れ、残った一つの外部電源で「辛うじて冷温停止」したと、同紙1頁「卓上四季」に書いてある。この女川というところは、まるで陸上の「袋小路」であって、退避が著しく困難だろうと、この「卓上四季」の筆者は、自身で石巻から女川への狭い迂路を交通した経験を語っている。仙台地裁の裁判官全員は、現地視察ぐらいはしたんだろうね。/原告は「退避困難」を主因に挙げ、裁判官はいまの計画で「困難は認めない」としているわけである。/もしあの震災当日、女川原発の屋根の上に退避して助かった人々は、もし原発が外部電源をうしなつていたら、どういうことになっていたか。いな、逃げ場に乏しかった女川の人々は、来るべき放射能にどう対応していただろうか。福島原発のケースをはるかにしのぐ大惨事になっていたことは、想像に難くない。/ただ、裁判官全員は、そういう想像力がなかったのだろう。/社説「住民不安に背を向けた」が出ている。「宮城県は避難に最長5日かかると想定してている。女川原発は海が入り組むリアス海岸に立地し、周辺道路はカーブが連続する。判決がこうした地理的な事情に踏み込むこともなかった」と、慎重審議を欠いたのではないかと訴えている。/それにしても、どうしてこの記事、1面にしなかったのだ。