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2022-11-04 20:09:00
漢和辞典にもかなり特徴が違うものがあるので、ここに書くことが別に標準と主張しているわけではない。ただ、先ほど来の「部首をマークする」ことが大事だという関りで、言うが、もう一冊、示しておきたい。三省堂『全訳漢辞海』2006年である。この辞典は、本書は「古漢語を読解するために、漢字を通じて学習する辞典である」としている。先に挙げた『漢字典』と一脈通じるものがある。だから、この書も、参考書と考えたい。現代中国音にも通じる音を示している。実は私、若い時、歴史的中国を論ずる書物の中で、文章中あらわれる事物に発音を示しておきたかったので、手元の辞典により、ウェード式の発音を併記した。戦中戦前ならともかく、戦後の著述にこんなことをした者は、まずおるまい。その心は、書いたことを日本人だけではなく、中国民族の人にも読んで知ってもらいたかった。私らの書くもの、考えること、自然にアジア的広がりを持つていることが多い。/いわんや、古漢語とでもいう文明的世界は、中国、中国周辺国、日本、朝鮮と、かなりよく分かった広がりを持っている。現代になれば、それぞれの民族が華僑のような大量の海外人口を持っている。いつの日か、この広がりが、お互いがよりかかる場になるやもしれない。また、旺文社が『漢字典』より以前に発行していた旺文社『漢和辞典』1988年というのがある。これも過去に入手して私蔵印が押してある。方針はやや違っても、これも便利な辞典なので愛用している。この『旺文社漢和辞典』は、装丁や紙質や大きさや厚さが、大変取り扱いやすいので、感心して愛用している。