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2022-10-30 13:05:00
話題が少し広がりすぎた感がある。最初からの話題であった「漢字の学習」自体に戻りたい。さて、普段念頭に置く漢字表は何だろう。たいへんお恥ずかしいが、私は、「当用漢字表」というものが今でも国民的標準として行われているものとばかり思っていた。実際にいま行われているのは、「常用漢字表」である。では「教育漢字表」というのは何だろう。「学習漢字表」というのもあるが、それは何だ。『広辞苑』を引きながら、この四者の間の関係をまとめてみる。 「当用漢字」1850字は、1946年、政府が公布した。続けて、「当用漢字音訓表」(1948年)、「当用漢字別表」881字(1948年)に、「当用漢字字体表」(1949年)が現れた。この「当用漢字別表」881字が、別称「教育漢字」だという。そして「当用漢字」に替えて、「常用漢字」1945字の字種と音訓が現れたのが、1981年。 そこで、今は「常用漢字」が、行われている、ということになる。ところで、学習漢字とは何かというと、文部省の小学校学習指導要領中に掲載された「学年別漢字配当表」を指すのだそうだ。そして今でも、「教育漢字」は廃止されたわけではない。 以上のように私は理解している。当用漢字は確かに戦後30数年間行われていたが、今は、それに替えて「常用漢字」が行われている。 いま私の手元に第一法規編集部『常用漢字付教育漢字・人名用漢字』第一法規、1981年、という冊子がある。ちょうどこの切り替えが起こったので、当時わざわざ買ったもののようだ。常用漢字について詳しく趣旨が述べられており、常用漢字と当用漢字の間の出入りも詳しく示されており、また、教育漢字とその学年配当表も掲載されている。(それなのに私は、当時あまり詳しく検討しなかったのだ。)