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2022-10-26 08:56:00
文字というありよう(2) 文字と言葉の間(はざま)。10月25日、NHK、BS3、「ヒューマニエンス 人類と文字との出会い」を視聴しての感想。文字といえば、ただちに「それは言葉だ」と思う。それには間違いない。しかし文字と言葉の間には現実には相当の距離があるのだということを、私たちに思い知らせてくれる番組であった。1.人類発生に20万年かかったが、文字が成立してから5千年ぐらいしかたっていない由。2.文字は数えた数を残す必要が生じた「人間の経済活動」に由来するのではないかという。3.太古の文字は絵文字として発生し、絵を組み合わせて特殊の意味を作るものとして成立して、非常に早い時期に1500字ないし2000字程度になっていたと、きっと漢字などを例にして、推定するのだろう。4.ところが、今日までの人類の文字の発展のあとを回顧すると、世界の大多数の民族の文字は「表音文字」で、漢字のように「表意文字」なのは非常に割合が少ないという。もっとも漢字は、カタカナという表音文字の工夫を伴ったし、日本などはさらにひらがなという表音文字を工夫した。こんな具合に漢字を観察するのも、興味深い。さて、漢字の未来の運命いかんと、思いやるのも一興。終戦時、ローマ字論者が数多く表れて、日本語をローマ字表記することをもって今後標準にしようと主張した思い出がある。中国も建国時はローマ字表記が中心になった時期がある。韓国などは完全に幾何学的図形(一種の表音文字であろう)で表記するようになった。漢字はすでに表音文字の攻撃に出会っている。