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2022-10-23 09:26:00
長澤規矩也『三省堂漢和辞典』は、その643-652頁に、「成り立ち」別の文字の例示を、いくつか行っている。「漢字の字源の説明」と題している。「漢字の成り立ちには、およそ四種類あるといわれている」として、(1)物の形を写したもの、形にかたどった(象)ということで、象形文字とよばれるもので、絵文字ともいうべきもの。(2)前者が具体的に物の形を表しているのに対し、抽象的にものごとを示すもので、この中には全く独立して表現するものと、象形によつてできた漢字を土台にして、これに符号を加えて抽象的に意味を表したものとある。指事という名称がある。(3)文字が造られる前からあった発音を表す文字に、その事物の意味を示す文字を偏旁冠脚のいずれかの一つとして加えたもので、形声という名称がある。動植物の名などはこのようにして漢字で表されたものが多い。(4)既成の漢字を合わせて造られたという点では(3)と同じであるが、その部分を成す漢字を全く意味の上から結び付けたもので、特に一部分で発音を示すという限定がないもの。会意という名称がある。 「以下、成り立ちを知っていることによつて字形を覚える便利があるものを、成り立ちを分類番号で示す」と、これらの「例示」の趣旨を述べている。/『漢和辞典の先生』だからなんでも漢字を使うというのではなく、この説明の文章は、手ごろにひらがなを使っているんだな、と思う。その分、文章が柔らかく、読みやすくなるな。六書は普通は象形、指事、会意、形声という順に書かれているものだが、ここではあえて形声、会意の順になっている。確かに、形声から先に理解するほうが、印象的だと思うよ。 いずれにせよ、漢字成り立ちのありようは、象形、指事、形声、会意で、大多数の漢字は、形声と会意に属するわけだ。(つづく)