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2022-10-21 22:01:00
「六書(りくしょ)」とは、漢字にかんする6つの法則ということだと。許慎『説文解字』の叙に、指事、象形、形声、会意、転注、仮借として説明していたものを「六書」とするのだと。端的にいえば、「六書」とは、漢字を組み立てる原理であると。宇野哲人編『新修国語漢和辞典第3版』集英社、1978年、中の漢字解説編『六書について』(1046-1048頁)にそのように述べてあった。続けよう。象形(しょうけい)とは、実物の形をかたどって造字する法則だという。太陽の略画が「日」になり、半月の略画が「月」になった等と例示している。指事(しじ)とは、象徴的な符号によって、抽象的な意味を表示する造字法だという。棒一本書いて「一(いち)」にするなどは代表的だろう。もうひとつ、基本となる漢字に符号を加えて何かを指摘・強調し新しい意味を表す造字法もあるそうだが、こっちは難しくてちょっとわからない。会意(かいい)とは、複数の既成の文字を組み合わせて、新しい意味を表示する造字法である。「日」と「月」を組み合わせて「明」とする例は、わかりよい。形声(けいせい)とは、意味を表す意符と音を表す音符とを組み合わせる造字法である。例として「江」という字を挙げ、へんの「サンズイ」は水をあらわし、これに「工」という「音と同時に広大さを表す符号」をつけているのだという。結局漢字の大部分は会意と形声からうまれ、ある程度の部分が象形と指事から生まれる。五番目の転注(てんちゅう)は、造字法というより、漢字の意味転化の法則であると。ちょつとわからないな。最後の仮借(かしゃ)は、当て字の法則であると。私、戦中・戦争直後の少年時代を送ったので、漢和辞典の引き方をじっくり学ぶ時期を失していた。遅まきながら、少しずつ親しもうと思うのである。