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2022-10-17 20:48:00

長澤規矩也『三省堂漢和辞典』6--7ページの要点を紹介します。

まず、漢字を左右か、上下かに分けられるかどうか、考えてみます。分けられたら、左半分(偏)か、上半分(冠)かが部首にあるかどうか捜してみます。

例1. 「相」。左右に分けると木と目とになります。そこで「木」が四画ですから、部首索引の四画の中で「木」を捜します。「木部」が427頁から始まっていることを知り、それから、「目」が五画ですから、次に枠の外--「柱」とよびます--で、【木(左)】の5を見つけます。430頁の第三段にみつりました。(このあと奇妙な説明が追加される。「相」のすぐ下に「もと目4」としてあるのは、普通の漢和辞典では「相」は木部4、つまり木部四画になつているんだと。なぜかというと、「相」というのは、木に登ってみるとよく見える、ということからできた漢字だからだそうだ。しかしこんな具合に漢字の「本来の意味が分からないと部首の判別ができない」のでは、初学者には判じ物みたいなものだろうと批評。長澤氏は、「見た通りの木部」で引く発想で、初学者が漢和辞典を使いやすくしているのだという。)例2. 「季」。上下に二分すると「*」カという冠と、「子」という脚に分かれる。部首索引で、この「*」カは、498ページとなつている。足の「子」は三画なので、500ページの第三段に「季」を見つける。そのすぐ下に「もと子5」としてあるのは、「季」という字は、末っ子という意味で、従来この字は、だから脚の「子」の側から引くのだとされていたことを表す由。この辞典ではそう引いてもちゃんと出てくるが。初学者はこの字は「*」カという冠から引くのが自然に感がられはしないかというのだ。(次回に続く)なお上記「子」という字は、二画でなく、三画である。辞典に「子」の書き順が示してある。それを注目すると、はあ、三画なのだ、ということがわかる。