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2022-10-16 20:00:00

漢字の学習

 

これはまた、おそるべき固い題だが、多分これが最適の題だろうから、仕方がない。

漢字を用いるさいに最も多く漢和辞典を引くのはどのようなときかといえば、ある漢字を漢和辞典を引いて見つけ、その読み方(音と訓)や、その漢字を用いた熟語の意味を知るということだろう。

ところが、漢和辞典は部首で引くようになっているが、そしてその部首はたいてい漢和辞典の表紙の見開きに大きく、たくさん、提示してあるが、今引こうとしている漢字がどの部首に属するのかということがわからないと、引きようがない。

漢和辞典は漢字の総画数で引くという方法も用意しているが、画数の非常に多い漢字はそれだけでもう引く意欲をなくしてしまう。

漢和辞典は読み方(音または訓)で引く方法も用意しているが、そもそも読み方を知らなければ引きようがない。よしんば読み方を知っていても、漢字は「同音異義」の場合が非常に多いので、同じ「読み」について膨大な候補が現れると引く意欲を失ってしまう。

低学年のさいに漢和辞典を引く努力が一向に奨励されず、「新しい漢字が出てくるたびにしっかり学習すれば、漢和辞典を引く必要自体があまりない」などど指導者が公言するようでは、まるで漢和辞典を引くのは不急不要の仕事をするバカになったような気さえする。(実は英語の学習でも、このように公言する指導者がいるので、英和辞典を引く癖がなかなか生徒にできなかったりする。)

今度入手した長澤規矩也編『三省堂漢和辞典』は、この、漢字学習に際しての部首の引き方について、たいへんわかりやすい対応方法を用意しているように思われる。あえてこの話題を数回に分けて述べてみることにしたい。