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2022-10-08 17:34:00

『太平記』に思う

過日岩波文庫で『太平記』①を入手。長い間原書での入手を求めていたが、このほど2014年に岩波文庫により、6冊本で出ていることを古書店店頭で知り、その(第1ー第8巻に当たる)を買った。800円。新刊だと1140円。/長い間この本への思い入れがあったが、書店で入手する機会がなかった。/さっそく読み始めて、いま一通り読み終わったところ。/たいへん読みやすい本で、別に辞書など引かなくとも、ときどき意味の通りにくい箇所で注を参照して、十分によみ進める。思うに、すでに内容のあらすじが初めから当方の頭の中にある。だから、まったく意外の筋書きが、現れるわけがない。/いったいに古文の学習をしようとすると、まず最初に出会うのが、「古文の標準」は平安朝の王朝文学だという言葉だが、この『太平記』は、漢文脈が文章の流れの中でぐんと色濃く、まさに「漢字かな交じり文」つまり現代日本語の特徴に近く、文中の「引用文」も古文だけでなく、漢文に由来する故事来歴がふんだんに表れて親しみやすく、文語調というより会話調に接近している。つまり要するに現代日本文への接近が強いから親しみやすいのである。/私に限って言うなら、古文の学習を王朝文学ではなくて、『太平記』のような軍記物から始めていればスムースだったろう。