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2022-09-15 16:27:00

山上被疑者による安倍元首相銃撃事件。この欄で私は7月10日に、「とっさには隠れていた構図」と書いた。その後事件のこの「もう一つの構図」は、社会の自覚するところとなって、これまでの2か月余の間に、大変な広がりを見せることになった。この「広がり」の下で社会が現に行っていることの「内容」を、ある「メディア研究者」は、まるで彫刻を行うような綿密な文体で明らかにしておられる。北海道新聞8月18日号18頁「各自核論」中の石田英敬氏執筆「元首相銃撃めぐる新聞報道 長期的視点で深堀りを」のことである。文章の前半は、事件の背景になった旧統一教会の名前が話題として週刊誌や民間テレビ放送に現れるようになって、この旧統一教会に関わる疑惑がどんどん膨らんでいったので、あたかも「民主主義の危機」が、選挙期間中の選挙応援演説者の暗殺という「犯罪」の意味とあい並んで、「反社会的な宗教集団であるカルトと政治家との関係、さらには宗教右派と自民党右派との結びつきの問題」という「民主主義のもう一つの危機が目立たぬ形で進行していたのではないか」という「犯罪」が注目されるようになったとする。タイトルの「長期的な視点で深堀りを」が必要とされるのは、明らかにこの後者の問題だ。(論者によっては、これはまさに、日本において、冷戦終結・55年体制幕引き以降の1990年代から今日までの約30年間、いわゆる「右派」が政治の中核になってきた状況を徹底解剖して反省する社会問題となろう。それがカルト宗教という方面から問題となってきたわけだ。)この文章の後半は、筆者がどの論点を中心に「深堀り」を進めようというのかを紹介する。1. 旧統一教会と実際の政治家との結びつき、一般に宗教右派と自民党との関係、それは民主主義にどのような影響を与えてきたか。2. 政権与党はこういう問題を回避して乗り切ろうとしているが、国民の間に強い疑惑の念があることは確かである。3. 国民は正確・豊富な情報をいま求めている。/皆さんは容易に、この20日間の間に進行した事柄を承知しておられよう。実に過去2か月、午後1時55分から北海道であれば、特にSTVとHBCが行ってきた特集番組は、事態の「深堀り」の糧となった。