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10月中に行っていた「『人新世の「資本論」』を読んで」のフアイルの内容を、参考のために、示して置く。
(1) 10月26日。斎藤幸平氏がマルクスの思想を参照していることについて、従来日本のマルクス経済学で言われてきたところと、多少違う「学び方」をしている点について私が述べるという方針。
また、NHK出版がかって行った斎藤氏へのインタビュー記事の参照を求めている。
(2) 10月27日。斎藤氏が、マルクスの思想が地球の気候変動を衝いているとする際の議論の大枠。斎藤氏が日本マルクス主義について学んできた仕方。
(3) 10月27日。「インタビュー前編と関連して」斎藤氏がなぜ現在の日本人が地球の気候変動問題について関心を持てないでいるのかの原因を指摘している。
(4) 10月27日。「インタビュー前編と関連して」斎藤氏が宇野弘蔵先生の経済学を避けたという話題。宇野弘蔵『経済政策論』にまつわる私の思い出。
(5) 10月27日。「インタビュー全編と関連して」いわゆる産業予備軍の生存問題。
(6) 10月28日。宇野先生のいわゆる宇野派三段階論という構え。
(7) 10月29日。経済学の対象は何か。マルクスが経済学の対象を「資本主義的生産様式」と提示する過程。
(8) 10月31日。資本主義のシステムとは、資本主義的商品経済であろうと、藤塚知義先生の仕事を参照しながら、経済学説史的に提示する(宇野先生は資本家的商品経済としておられる)。
この間、普通の記事の方にも多少関連することを書いています。
ちょっとほかの仕事が出て、記事を書き続けにくくなりました。藤塚先生のほうの議論をもう数回続けると、ずっと問題点がはっきりしてきます。
ところで、資本主義的生産様式と、資本主義的商品経済は、同じことをいっているだろうか、それとも違うことなのだろうか。
たんなるフィーリングの違いですか?どうぞお考えください。
ただ、斉藤氏であれば、きっと資本主義的生産様式のほうを選ぶでしょうね。
「プラン資本論体系--資本・土地所有・賃労働:国家・外国貿易・世界市場」というマルクスの『資本論』執筆プランなどを念頭に置くと、これは「資本主義的生産様式」でしょうよ。
藤塚先生が「そんなこと考えて居なかった」のではありません。この方はプラン論争の有力な論客でしたよ。ただ、宇野先生はこの議論にはかかわりませんでした。宇野原論は、「資本論どおり」というのではありません。
そして今回の斎藤氏の議論を伺っていて、私がもつとも興味をもつのは、従来日本のマルクス経済学が「議論しにくかった論点」に、たくさんふれているからです。