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2021-04-15 09:32:00

今日、「和食」がユネスコ文化遺産に登録されているという話題で、私がふだん食べている食事の中に「豆腐」を挙げた。ところがこの「豆腐」では、私に甘酸っぱい思い出がある。以前米国に居住したときのこと、食事の材料を買いにまちの食品店にゆく。豆腐は米国でも非常に多くの食品店で売っている。豆腐を買っていたら、白人に声を掛けられた。お前はどのようにしてこの豆腐を食べるのかと。それで私は、「まずよく冷やす」、「次にこれを包丁で大きな塊の賽の目状に切る」、「平たい皿に盛って、生姜を一つまみのせ、さっと醤油を掛けて食べる」。私一人で簡単に作れて、私も好んでいる「冷ややっこ」だ。それに、およそこれほどわかりやすい調理法はない。☆ところが、だ。私がたどたどしい英語で説明していると、何人かの人間がまわりに立ち止まって、口々に自分の調理法を話し始めた。当然に私の調理法とは全然違う。いわば正反対の調理法。たいていがぎたぎたと油でいためることになる調理。私に最初声をかけた白人も、これらの人々の調理のほうに親近感があるらしく、いつのまにか私は話題の外に出てしまった。思えば中国料理も当然に豆腐を使う。豆腐はいまや間違いなく国際的食材だ。だからこそ米国のスーパーでも売っているわけだ。「和食」は、時には外国人は絶対にそう言う具合には調理しない代表例ともなりうる。食事は国際的共通話題でも、食事の方法や内容は、国際的に多様。まー、文化というものが、そういうものだが。