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日曜日・晴れ・札幌。☆申し分ない好天気。ただ、明日から一週間ほど、毎日雪がちらつくという天気予報だ。☆NHK大河ドラマは、今度は渋沢栄一伝、「晴天を衝け」。第一回目は見逃し、今晩第2回をみる。国民的大河ドラマの主人公に、「資本家」を初めてもってきた。私、感無量。昭和31年に某大学某学部の1年生になって、最初に同学年生が集まった。こもごも立って、「これから何をしたい」というようなことを言った。たいていは「今年まずなにをしよう」という話で、「将来何になる」ということを言う者は少数派だった。いまにして思い出に残っている発言は、A君いわく、「僕はこの夏休みにモームのオブ ヒューマン ボンデジを読もうと思う」。みんな同じようなことを考えていた。B君曰く、「僕は早速『資本論』をドイツ語原本で読もうと思う」。そもそもたいていがドイツ語は第二外国語で学習し始めたばかりなので、とんでもない高い志と感心。(この男、某寮に入ったが、実際に日夜ベッドの中で『資本論』原本に挑戦していた。)C君曰く、「僕は同志を募ってエスペラント語という世界語の学習に努めたい」。(私はC君に共感して、その後エスペラント語に入門した。)ところでここに一人いて、「僕は将来キャプテン オブ インダストリーになるつもりだ。」この語を聴いた同学年生たち、いままでしんと黙っていたのが、急に異口同音、不服の声を挙げた。(この語が皆の気に合わなかったのだ。)☆今にして思えば、時代差とは恐ろしいものだ。「キャプテン オブ インダストリー」は、さしずめ事業家とでも言っているわけで、(ちょつとしゃれた言い方をしただけだ、)どうということはないのだが、あたかも「財閥になりたい」とでもいったかのように私の同級生たちには響いたのである。☆しかし、ひるがえって、「資本家」とは一体なんだろう。現実の存在としては、どう定義するのが、もつとも妥当だろうかね。即答して、妥当な定義を述べる御仁は、なかなかの人だろうよ。かくのごとく現実というものは、なかなか正確には語りにくいものだ。☆現代は組織の時代です。その組織を指揮するのが、資本家です。これは昭和40年頃私が聞いた「定義」。組織とは、株式会社さ。これは私が最初に就職した会社の社長の持論だった。君たちは会社の社員として時代のために尽くすがよい。本の書名、『社員時代』。