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2021-02-17 16:49:00

道新6頁に当面の「小樽運河問題」が特集され、読みでのある記事になっている。いまの小樽運河問題は、第3号埠頭の斜め向かいにある「北海製缶小樽工場第3倉庫」を解体させてしまうのかどうかという問題に集約されているようだ。この存在感のある歴史的建造物を会社が維持しがたいので2020年中に解体しようというのを、どう保存してゆくかというのが「今の問題」。むろんそれ以外に、小樽市の街並みをどう残すかという問題もあつて、商工会議所はすくなくとも「境町通り商店街から北運河のエリア」の「建物の色や高さ、形などの外観」を保存する条例を期待している。☆記事の真ん中に年表があって、小樽運河問題を考えるのに便利だ。おもうに「小樽運河問題」は、1960年代に小樽市の産業振興・産業開発に資すべく、道道小樽港線(臨港線)を建設するために「レトロ」な小樽運河を全面的に埋め立てようという開発計画に端を発する。当時は開発ブーム。石炭業もまだ存在感があった。苫東開発が当時北海道挙げての開発焦点だったころ。1980年代に横道知事の裁定で、運河の南側半分を埋めることになり、この方針で工事が完了した。☆さてさて、たいへん皮肉なことに、過去半世紀の間に天下の形勢が一変した。小樽市の生きる道は観光小樽であることが明瞭になった。(この劇的な形勢一変は、北海道しかりだろ、日本然りだろ。小樽問題は、北海道と日本の縮図であろう。そして小樽市を観光都市として盛り立てる政策は、非常に説得力があるが、ことが北海道となると、いま目の前で、平気で貴重な観光資源を次々に切り落としているんじゃないか。)☆観光でうまくいったら万歳だけで、問題は済まないと、この記事で堀川三郎氏は言っている。「観光でうまくゆくと駐車場が必要になる。そこで、歴史的な建物でも中途半端なものは壊して駐車場にする。あるいは、観光地となり地価が上がって固定資産税も上がると維持出来ないから、壊して新しいものを建てて人に貸す。こんな悪循環が起きているのです。」これじゃ困るじゃないかというのだ。観光政策は賢く精密で総合性のあるものでなければなるまい。☆しかし、まずその前に、観光でゆこうという確固たる気構えが必要だろう。