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月曜日・霙・札幌。☆菅首相の日本学術会議推薦者中より6人任命拒否問題。ずっと昔に当欄で感想を述べ、その後は一切言及せず、もつぱら新聞記事やウエブページを読むのみだった。なんと呆れたことに私が「この問題にからんで日本学術会議改革問題が菅内閣成立の第1の政策目標なのではないか」と「とんでもないつぶやき」をしていたのがこのところすっかり正夢となろうとは。なんということだね。菅首相というお人は、この問題に関しては日本語では「匹夫(ひつぷ)」と評するしかない人ではないか。匹夫とは、「道理にくらいひと」といういみである。任命拒否という「人事」の理由を聞かれても「人事の理由」は言えないという「無回答」を繰り返すが、しかし日本語で何か聞かれればつい何か日本語で答えざるを得ない。この様子を見聞している菅首相の「補佐者たち」が菅首相の言い方に何らかの「道理」らしきことを付け加え、この付け加え方が「どうしても統一性を欠く」ので、何やら話の輪郭がどんどん膨らんでしまって得体の知れない巨象かつ虚像になってしまった「日本学術会議問題」。菅首相が「一貫して自分の態度を変えない」というありようをしていることが、問題を結局このような巨象・虚像化しているのではないか。この人の人事的剛腕をよく知る「補佐者たち」が「わりをくいたくない」から必死にあれやこれやの切り口を思いつき、問題をどんどん大きくしている。そしてついに菅内閣成立の第1政策課題というべらぼうな姿にしてしまった。問題が真に国勢枢要の課題なら、内閣総辞職なり国会解散なりというおそるべき荒業もあろうが、いま解散なぞしてみよ、自民・公明党は票数を激減する危険がある。意地もいい加減にして、妥当な解決を計ったらどうだ。☆他方かの国のトランプ氏は、この人物は「匹夫」ではない、とことん法律的に争えば、自分が勝つ可能性がいろいろありうることをよく知っている。ことここにいたることも既に想定して、前もっていろいろな「行政的手段」も取っていた。郵政長官を任命したり、最高裁に保守派の判事を任命したり。ただ、いかにアメリカでも、アメリカ合衆国という社会と文化を守ることではなく、自己の権勢と地位を守ることに強く傾斜した姿勢が、果たしてアメリカ合衆国にとって道理でありうるか否か、そのように社会が見るに至るようなところまで徹底した法廷闘争をする気なのかどうか。こういう大きな意味での「匹夫」にならないで済むかどうかは、もう少し見ていないとわからないようだ。