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2020-09-30 22:21:00
前回の足立邦夫『ドイツ 傷ついた風景』講談社、1992年、に「もう一つの傷」を追加させてください。この「傷」は、著者足立邦夫さんでさえ、1992年当時にはおそらくこれがこれほどの大きな傷に「成長」してゆくとはお気づきにならなかったでしょう。☆ドイツ民族の「東方へ向かっての成長」は、すでに数百年前から始っていたと思うが、ナチスドイツ時代に、ナチスドイツ怒涛の東方進撃(ドイツ広域経済圏の成立)に相応じて大規模な人口移動となつていったものと思います。ナチスドイツ敗北に伴って、いったん東方化したドイツの人口は再びドイツに回帰したでしょう。☆そしてソ連東欧圏が解体して、ここに再びドイツに回帰する人口移動が生じたでしょう。☆問題は、こうしてドイツに回帰した人口は、概してドイツ「第1の傷」である「ナチスドイツ否定」があいまいであること、いったんドイツに回帰すると、ドイツへの新たな移民を強力に阻止する傾向を示す事でしょう。21世紀の世紀転換期以降にアフリカ、中近東からのヨーロッパ移民の大きなうねりが生じると、この「第三番目の傷」は、ドイツにあってすらEU欧州連合を解体させる勢いにつながる点です。☆日本には、このようなドイツの戦後の運命と、非常に似たモメントが存在するが、同時にその類似点は、ドイツと比べると非常に矮小です。(幸いに矮小です)私らは、ドイツにいろいろ学べる点が多いと思いました。