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2019-10-09 16:08:00
司馬遼太郎氏が『坂の上の雲』で、明治中頃まで30数年間登って行った国運が、今度は下がっていった(その果てに敗戦)という図柄を示したが、これを今に例えると、1945年に生まれた「新日本」が30数年で坂を上り詰め、やがて逆落としに国運が下降するという具合になるなあ。そう呟いたら、それと似通った図柄になるデータがあると知人に教えられた。★NHK放送文化研究所・第10回「日本人の意識」調査というものがあったそうだ。1973年から2018年まで5年おきに行われた意識調査で、「日本が一流国だと思うか」にそうだと答える割合が次のように変遷していると。73年・41.0%、78年・46.9%、83年・56.8%、88年・50.2%、93年・49.3%、98年・37.5%、03年・.35.8%、08年・39.3%、13年・54.3%、18年・51.9%。1983年に56.8%にまで上り詰めた「一流国」がその後続落して2003年・35.8%の底を迎える。ところがその後「一流国」がだんだん登って行って、2008年以後50パセント台の高率を取り戻す。★1980年代に国運の最盛期、1990年代にバブル破裂の非運期となるだろうとは、誰もが同様の解釈をするでしょうが、問題は最近2008年以後の国運で、これが高率になるとはどういうことだろう。国民国家経済の発展という要因は乏しくても、国運が上がっていると評価している。この「内実」はいったいどういうことだろう。問だけがあって答えが示しえません。国民個々にいうと、おおきに見解が分かれてくるところではなかろうか。(ご興味がある向きは、原資料を参照してお考えあれ。)