インフォメーション
2019-10-09 12:58:00
水曜日・曇り・札幌。★月手取り14万円を12年間続けた人が、「日本終わった」とつぶやいたのに対し、「終わっているのは君だ」とやり返した人がいて、この話題(デイリースポーツ配信)が驚くほど多くのツイートを集めている。いま日本は「終わった」のかどうか、反対に日本は「登っている」のかどうか、国論が真っ二つに分かれている所が、重要な点。いま首相が国民に勧めている憲法談義は、憲法談義に先立って当然にいまの日本の国民国家の状況についてのある程度一致した認識が必要だと思うが、その認識が真っ二つに割れているとすれば、この「割れている」点を真面目に議論しておく必要があろう。
★この真っ二つに分かれている議論のさなかで、「共通認識」というか「前提認識」となっていると思われる認識がある。それは「今の日本の国民国家が貧乏だ」という認識のようだ。じゃあなにがどう貧乏なのか、この当たり前の点を捉えて、多くの人の共通認識を求めれば、(いわばここでいう貧乏の定義をすれば)、それは日本の国家の財政が、いま、年々の税収では賄えない状態になっている、いうなれば「国家の財政赤字」という現状を指すのではあるまいか。★知っての通り、1950年代、60年代の日本は、健全財政を国是としていた。経済成長によって増加した税収で財政増加を賄うという論法で、財政力を維持していた。たまたま発行する国債も、「これは建設国債なんだから」と何べんも言い訳していた。しかしある時期からこういう財政はもうあり得なくなっている。★現今の財政は、旧来の財政史から見れば、驚天動地のウルトラCをやっている。大量の国債を発行し、その大きな部分を事実上日本銀行が引き受け(買い取り)、日本銀行は株式市場で日本の有力銘柄について少なからぬ割合を買っている。他方日本銀行は、あえて大量の現金を市中に流して、日本経済に景気を呼び込もうとしている。こういう前提の下で、財政だけ見れば「ギリシヤ以下」の貧乏財政を日本という国民国家は現在行っている。★さておのおの。これは「貧乏」ということか。★じつにこの点の議論が、難しいのである。「経済成長による税収増」という議論では片付きようのない「現在」が目の前にある。
★議論は実に「前提」の段階ですでに難問に突入している。★山本太郎さんなんかは、これを逆手に取って、「何、福祉財源?国債増発で賄えばいいじゃないか」と言う。山本さんに「べらぼうなことをいうな」と言うためには、現今の日本銀行の政策の「合理性」を国民各位に(なんなら一部エリート相手だけでもよろしいが)諄々と説く必要があるぞ。誰かこれができる人はいるのかね。