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2018-12-08 00:38:00
20年前に娘(燐オーナーと呼ぼう)が買った1500万円の土地付き中古木造家屋、最寄駅から徒歩3分、当時募集したら居住者(日産太郎と仮に呼ぼう)が得られて、月額5万円で貸した。さてこの契約はずっと有効で、今年で20年目になり、燐オーナーはその子の学資にあてようと、この資産を売却しようとしている。建物はもう無価値だが、この60坪の土地はいま安くとも1200万円はするだろう。しかし燐オーナーの売却の意向に対して、居住者日産太郎さんは、「わたしはここにずっと住み続けたい。もし建物を土地付きで売ってくださるというのなら、話に応じたい」と謙虚に申される。そして買値として、300万円を提示される。その理由は、「私どもは既に燐オーナーさんに対して、過去20年間に家賃1200万円をお払いした。つまり現在のこの土地の地価に相当する分を燐オーナーさんは既に私どもから得ておられる。だから今1銭も差し上げなくとも私どもは燐オーナーさんからこの土地付き家屋を譲られてしかるべしと信じている。しかし、せっかく長く住ませていただいたこともあり、ほかにいろいろ燐オーナーさんのお世話になったこともあったので、この今は本来無価値の古家に300万円の値段をつけてお譲りいただけませんか。これぞ両者対等のフェアな取り引きではありますまいか。」★こう穏やかに日産太郎さんが主張されると、なにやらこれは、中世ヨーロッパの利子禁止法の扱いとも通じるし、あるいは共産主義社会なら地域住宅委員会が一も二もなく住居を住む人に引き渡しもしようから、いま日本の国家社会の人倫が、燐オーナーを無法者とし、日産太郎さんを国民的英雄にしているのにも、故ありとするのであろうかと、娘も匙を投げている。★これ、実話なのです。すっかりこの通りのね。(実際は居住者が提案していた価格は500万円だつたので、少しずれるが、あとはすっかりこのとおり。)