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2018-11-27 11:51:00
ドラッカー氏のマネジメントという洋書を読んでいて、図らずも数十年前に当地でドラッカー氏の風貌に接したことを思い出している。ある機関の**周年記念の行事の一環でドラッカー氏の講演を企画した。その講演要旨をその機関の機関誌に掲載する予定になっていた。私はその原稿の担当者だった。★講演後手違いが起っていたのが分かった。録音するはずだった講演が録音していなかった。録音の担当者は平謝りに謝っていたが、覆水盆に返らず。私はその録音テープから原稿を起こす役目だった。掲載誌はスペースを開けて待っている。ドラッカー氏側に原稿を書いてもらえるかと打診したら、講演謝礼と同額を要求するという。確か当時の金で10万円ほど。★わたしに、なにか工夫はないかという。わたしはその講演会の場には居合わせて、ノートしていた。わたしは自分の筆記ノートをもとに、あいまいな点はドラッカー氏のいくつかの著書(訳書)から拾い、読めるような一編の文章にした。これを某さんがドラッカー氏の通訳に見せ、まー確かにこんなところだろうというお墨付きをもらって予定通りそれを掲載した。★正直のところ、当時は、ドラッカーの言っていることの「真意」は、わたしにはよくわからなかった。ことばはわかる。しかしなぜこれが「知恵」なのかというところがわからない。★いまDrucker,Management をひも解いていると、いまならわかる。それだけ年を取ったのかもしれない。ドラッカーは、businessはsellingをするのではない、marketingをするのだという。customerはutilityを、そのcustomer独自のutilityを求めている。そういうutilityをbusinessは探してcustomerの希望を果たすのであって、merchandise をsellingするのではないのだと。★これを「理」として理解するのには経済学の理解が必要である。「感覚」、「経験」として理解するのには、800頁もの文章や何度もの講演、ミーテング、コンサルテングが必要だろう。「経営学」自体として、これを確立するのは無理であろう。これは実践経営学とでもいうものである。多くの人々が経営とかビジネスとか思っているものは、この「知恵」から見れば、たんなる「配給論」である。★しかしこの智恵は、「資本主義の精神」をよく表現しており、識者はこれを「アニマル・スピリッツ」という。★当家アイランドコーポの運営なぞは、まさに配給論だな。まつたくそのとおりですよ。