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2018-10-27 09:00:00
2018年10月27日・土曜日・雨・札幌。★昨日、栗山英樹氏著書『未徹在』を、日本ハムというチームを応援する参考として読む、と書いたが、書中一点だけ、宜えないことがある。201‐204頁で吉田松陰を称揚しその遺書「留魂録」に思いを致している所である。★いま明治維新という歴史をあたかも政治的イデオロギー化して、「明治維新で成った日本」が未来永劫変わらず日本という国の根幹として正しいという思想としてある方面から強力に主張されている。明治維新史観とでもいうのか。「靖国神社」をめぐる論争としてよく知られている。★わたしなどは北海道に生きているので、時代を幕末・明治に遡ると、「北海道・東北は賊軍」であった思いが去らない。歴史上戊辰戦争という。靖国神社をめぐって一時戊辰戦争で戦死した賊軍の将兵も靖国神社に招魂するかという議論があった。北海道は函館五稜郭での戦闘があったが、あれは見方を変えれば北海道独立戦争である。孤立無援で本州軍と戦い、敗れた。★榎本武揚と土方歳三。前者は生きながらえて明治政府高官となり、後者は勇ましく戦死した。幕末の志士「土佐の以蔵」は(目つきが鋭い白村選手に149‐150頁で栗山さんは以蔵のイメージを重ねている)幕臣を切って切って切りまくったが、明治維新の功労者として明治招魂社には祭られたのかもしれない。勤王の志士を切って切って切りまくった土方は、未来永劫招魂されぬ。ただ、司馬遼太郎氏は名作『燃えよ剣』で、筋を通していさぎよく死んでいった土方に「公平な目」を宛てている。吉田松陰氏に至っては、山口県で「神」になってしまっている。(吉田松陰神社)★北海道日本ハムフアイターズは、北海道のチームである。おもうに北海道・東北が生む政治的名士というのは、明治もはるかにへだたって岩手県の生んだ原 敬だろう。どうだろう、「西国」と比べてのこの政治的落差は。函館以北一山十文と言われた。★これもまた人の世であるぞよ。