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2018-05-13 15:56:00
2018年5月13日号『北海道新聞』10‐11ぺージ書評欄「本の森」をみて、驚いた。これらの本の提示は、別々のものとは思えない。一貫して「言葉とカルチャ 」のかかわりを問題にし、重大な問題提起を行っている。私はこれらの本をアマゾンにでも注文して、時間をかけて読んでみたいと思う。貧乏人もときには金を使わなきゃね。(書名と、紙面に書かれている小見出し・括弧にくくる・と、私のほんの一言の追加と、だけを示す)詳しくは道新紙面をお読みなさい。 1.多和田葉子『地球にちりばめられて』講談社。「国、言語超え相互理解埋める旅」という小見出しがついている。上田貴子記者が本人に取材した記事が載っている。2.ジョン・ウイリアムズ『ブッチャーズ・クロッシング』作品社。「苛烈な自然そのまま描く」。ここで自然という言葉が括弧でくくられている。作者は当初エマーソンが描くような西部の自然に出会うものとおもっていたが、実際に出会ったのは想像を絶するリアルな自然だったという。3.青木理『情報隠蔽国家』河出書房新社。「日米同盟の闇の深さを照らす」。日本の公文書のありようが、いまのままでいいのかという問題提起にもなっている。4.大澤真幸『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』KADOKAWA。「ヒット作を通して現代を批判」。政治・経済・社会を主カルチャとすると、そこから外れた事件・現象はサブカルチャである。大澤が取り上げたヒット作とは、近年の日本のサブカルにかかわって評判になった作品である。5.真保裕一『オリンピックへ行こう!』講談社。「スポーツが磨く言葉の力」。言葉が磨くスポーツの力もあるという。(ここで想定されているスポーツはたいてい個人戦だろう。集団戦・チーム戦の場合はどうか。私は栗山監督の本はそういうチーム力を扱っているように思った。後日紹介する。)6.伊藤氏喜『美の日本』明治大学出版会。「あいまいな精神性の本質を問う」。日本らしさとはなにかという難しい問題に答えていることになりはしないか。★一流の新聞記者はやがて文化記者から現れるのではないか。