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2018-04-23 20:37:00
2018年4月23日・札幌。いま佐藤智恵『ゼロからのМAB』新潮文庫、2013年、を読み終わって、たいへん感心したので、ひとことコメントする。米国の大学院で、日本でいえば修士課程に当たる。「経営学を専門とする大学院」(本書28頁)で、ビジネススクールともいう。その終了資格がМAB。むろんビジネススクールを終了しなければこの資格は与えられない。★いまのグローバルな経営環境で定番のようになっているビジネススキルを身に着けたという勲章が、このМBAという称号。★私の興味と着眼も、佐藤さんの「ゼロからのМBA」の過程を、英語を身に着けそれを運用するという側面にある。彼女がまずТОEFLで600点以上をマークするのに苦しみ、次に志望大学院に出す英文リポートをどう組み立てるかに苦しみ、入学すると課されている学科目を現実にどう履修してゆくかに苦しむ有様を赤裸々に語っている。★私が特に感心したのは、1学期と2学期が必修科目だが、(3学期と4学期が選択科目)この必修科目の期間に大学院側が履修者にグループを作って割り当てている点だ。佐藤さんはスペイン人のパブロ、アメリカ人のディブとエリックという3人の男性とチームを組まされたという。このチームで、履修に取り組む。★私、昔、ミシガン大学で、八幡製鉄法務部から派遣された某さんが、ロースクールで悪戦苦闘する様子を直接伺っていたが、某さんは自分から声をかけてクラスに数人の学習グループを作り、佐藤さんの場合の「チーム・ヒッキー」と似たようなことをしていた。こういう某さんのような努力と経験が、後年スクール当局に取り入れられたのだな。★私は思う。この佐藤さんのように自分の苦心を日本人の共通経験とできるようにまとめておくことは、非常に手助けになる。★いま私が注目しているのは、英米の大学の通信教育をネット上で受ける努力と経験である。ネット上の講義は動画で流れるし、テクストや参考書は(個人にはいささか高価なのが問題だが)よく読めばわかる。問題は頻繁に課される英文リポートである(メールで手紙を書く時もある)。英文リポートをたじろがずに書くガッツが必要だが(評価の要になるので)、リポートを学生が書くのを支援する機構が高等教育機関には必要である。(米国でのランゲジラボがその役割を果たしている。)米国にさえあるぐらいだから、外国である日本にあってしかるべしと思う。佐藤さんの時代より後になっている今なら、こういう着眼が必要だ。もしうまくゆくと、大学レベル以上の教育を米国の高等教育を利用しながら行うことができる。どうだろう。夕張市長さん。こういう教育方法着眼の日本第1号にならないか。そうすれば夕張大学が秋田国際教養大学を抜くかもよ。