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2018-03-23 19:01:00
2018年3月23日・金曜日・薄曇り・札幌。ようやく新聞の天気予報に向こう先1週間雪なしという気候になりました。題の「すすきの」は、札幌の歓楽街のことではありません。(当アイランドコーポが地下鉄南北線中の島駅で乗り、その次が幌平橋、その次が中島公園、その次が薄野ですから、意外に近いところにあるんですけどね。)前に書いた福永武彦「風のかたみ」(全小説第9巻所収)の、書き出しの一節の題名です。信濃出身の若者、大伴の次郎信親が京の都に上る途中、京へ行く道と伊賀へ行く道の分かれ目付近で、野原(すすきのと呼んでいる)を歩く場面とそこで古い堂に宿る様子を描く。今昔物語的筆致でね。この時代はうつつの世界と百鬼夜行の別世界が容易に出会う構造になっているらしく、そのへんがまた、面白い。現代の札幌薄野も、夢とうつつの出会う世界であろう。★文章の中に、現代文とも古語ともつかぬ単語が頻々と現れるのも、読んでいるうちに気にならなくなった。別に辞書を引かなくともなんとなくわかるし。現代にはあまり使わない漢字熟語を使っているのは、趣を感じる。