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2017-05-08 13:04:00
自民党安倍内閣は、憲法第9条に、第3項として自衛隊を正当化する規定を盛る方針だという。日本国憲法のどこを変えようが「憲法改正」になるには間違いないが、とくに日本国憲法「前文」、「第1章天皇」、「第9条戦争放棄」の「三つ巴」の関係に手を入れるような措置は、その精神において「改憲」というレベルではなくて、現日本国憲法に対する「新憲法樹立」の性質をもつものだと申し上げたい。現日本国憲法は、前文にいう「新日本の建設」の礎となるものであり、その「新日本の建設」が、第9条の「戦争放棄」という国民的誓いの「象徴」として、第1条にいう「国民の総意」による、「国民統合の象徴」としての天皇制・戦前とは明らかに一線を画する新天皇制・を定める、という構成を取っている。日本国憲法がよって立つ「国体」は明らかに国民主権の「共和制」であり、しかし日本国憲法成立時の「新日本の建設」という誓いが、「戦争放棄の平和国家」と「そのような誓いの象徴としての天皇制」という二つの重大な「政体」を伴ったものだとおもうのである。私は幼いときに宮城県民として「新日本の建設の」(宮城県民歌)と歌った。当時の学校では「日本は極東のスイスたれ」と教えた。確かにその後の日本史で、あたかも日米安保条約を日本の「政体」とするかのごとき政治が進行した。だからあえて言う。もし第9条に第3項として自衛隊の正当化を「書き加える」措置が、戦後の権力者たちが推進してきた「日米同盟という新たな政体」によって、「戦争放棄とその国民的誓いの象徴としての天皇制」という現日本国憲法の論理を壊すのならば、それは改憲ではなくて、新新憲法の制定である。