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2017-02-22 20:12:00
作家で学者の三浦朱門さんが、最近逝去された。ガンだったという。この方に、『天皇』2000年、海亀社、という著作がある。私はたまたまこの著作を読み続けてきた。なにしろ主題が主題なので、簡単に早く読むことができない。読むのに日数がかかった。『天皇』を読み終わった時に三浦さん逝去の報を聞いた。★これもなにかのご縁である。最近の天皇早期退位の話題を思うについても、改めて天皇制の日本国にとってのありようを国民が考えてみるときである。★この三浦朱門さんの著書は、古代から今日に至る我が国の天皇制の足跡をたいへん公平に観察されながら、日本国にとっての天皇の位置を考察している。★もちろんこの著者はカトリック信者として著名な人である。三浦さん個人としての天皇制への感情はもちろんあるわけだが、自分の感情をずっと脇に押しやって、「日本国民にとって天皇とは何か」という「天皇の立ち位置」を、自分も日本国民の一人としてたいへん率直かつ公平に把握している。★じつは私も、天皇について「こういう見方があるのだ」と、内心驚いた次第である。遺憾ながら三浦さんはすでに亡くなられた。三浦さんが声を挙げて天皇を論ずることはもうできない。これもなにかのご縁で、「三浦さんが考察された天皇の立ち位置」を、私が代わってご紹介しよう。むろん私の菲才ではどれだけ正確に三浦さんの心を皆さんに伝えうるかどうか、たいへん疑問ではあるが。