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2017-01-28 23:24:00
今上天皇退位問題について、自民党現内閣は、国会の場での討論を開始することにしたようだ。しかし国会での討論に先立って、自民党現内閣は、ある一定の傾向の発議を事実上すでに行っているように思われる。国会での討論というのも、結局は現政府の「国会多数」を恃んで、政府が事実上行っているある一定の傾向の発議に少数を従える儀式のように思えてならない。★天皇制は平和主義と並んで、日本国憲法を支える二つの柱である。この天皇制にかかわる議論は、日本国憲法の性質を豊かにすべき重大なものである。★一体に天皇のありようは、在位でのみ問題になることなのか、それとも今上天皇がこれまで努力してこられた「象徴性の内実」について深く顧慮すべきことなのか。(政府はこの後者の議論を「機能」論だ、という言葉面だけに矮小化しようとしている。)「天皇は日本国の象徴である」という「象徴性」は、日本国憲法が最初にうたった時には、確かに内実がはっきりしない・いたって抽象的なものであった。実際に昭和天皇にあっては、戦中・戦前の「現人神あらひとがみ」という規定されていた存在を昭和天皇一身では「神にてはあらず。人間天皇」という提言に切り替えていったのだから、とても「象徴性の具体的現実的国民的前進」とはなり得ない面があった。それが今上天皇の努力によって、今では天皇制の存続が国民の非常な好意と支持によってささえられるような認識を国民の側に生むに至っていると思う。★数十か月も先に今上天皇の退位と現皇太子の即位を想定する(それだけではなく、秋篠宮を皇太子格として扱うという措置すら予定しているようだが)、それだけ年数を想定しているのなら、なぜ今、皇室典範の改正を議論できないのか。「象徴性」の内実が今上天皇の努力で国民的により明瞭になったことを認めるのなら、そのような皇室の存続の安定をはかるために女性天皇による皇位継承を議論する好機だと思うが、いかに。(いま間違っても壬申の乱の再現は困りますよ。)