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2016-12-14 20:04:00
2016年12月14日。昨日、おととい、日ロ交渉について流れているニュースを見ると、「今回最善」の場合と言えども、日本が国交回復とともに手に入れるのは、「歯舞・色丹の2島」と、「国後・択捉については、元島民のビザなし交流の道、水産資源の利用とその環境保護の道筋、この2件については従来も存在しえたようにロシア主権下の例外事項とする道筋」だけではないか。そして日本が提案した8項目の対ロ経済協力の実施が決定する、と。★ただ、この「線」は以前エリツィンの時にロシアが提案していたもので、その当時は日本側がこれに乗らなかった。それを今回は日本側が「ありがたく」受け取ったというだけのことになる。★明日明後日の日ロ首脳会談を前にしてなぜこのギリギリの時にこういうつまらない結論になるのか。★2016年の日ロ交渉には、ロシアがウクライナ問題で国際制裁を受けていたという事情が並立していた。ロシアとしては日ロ交渉にこの「制裁を打破する」外交的狙いを強く持っていた。ところが2016年末に下馬評に反して米国でトランプ氏が大統領に当選し、トランプ氏はロシアに対する米国の外交政策を(シリアとウクライナについて)大きく変換する様相を示した。そこでロシアのプーチン氏にしてみれば、日ロ交渉を急ぐメリットが激減したのであろう。★しかしこれまで何か月も「日ロ関係」がきしむほど交渉していた手前もある。プーチンはなるべく多くを日本に要求し、しかし現在譲りうる「線」は「エリツィン時代なみ」。★こういう外交交渉なら日本のどの時代のどの政治家でもできた。それも首相でなくとも、外務大臣でもできた。★さあどうする。ともかく明日と明後日の様子を見たい。